三崎鳴 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
作品としては良く出来ているが明らかに過大評価
西尾維新作ファンタジー小説「化物語」を原作としたアニメーション作品。21世紀初頭、日本の田舎町を舞台として主人公、阿良々木暦が出会う少女たちと怪異にまつわる事件を描いた物語。内容よりもキャラクター同士の掛け合いや会話に重点を置き、小説本来の「読む面白さ」を表現している。アニメ版ではシャフトの独特な演出と相まって原作の良さを十二分に抽出している。キャラクターの魅力として個性と掛け合いを中心として表現するものの最後まで視聴者に飽きさせないのは演出の賜物。ストーリーの流れ自体に特筆すべき点は無いものの世界観や演出・音楽等周りを囲う要素としては完成型である為それらの織り成す空気感を感じることが出来れば本作の魅力は理解できる。この様に小説的な面白さを表現する作品が決して珍しいと言うわけではないが本作は特にそれが目立ち,視覚的・聴覚的な効果の使い方を良く捕らえているのではないか、万人向けとは言えないが楽しめる人にとっては間違いなく高い評価を得られるだろう。