ローズ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
神様のいない日曜日をはじめました
神様が世界を捨て、人間が不死となった世界。
死んでいる人間が安らかな眠りにつくためには墓守による埋葬が必要となる。
母が亡くなった後、墓守の仕事を引き継いだアイを描いた物語。
数話単位の短編がいくつかある作品です。
試しに1話だけ観ようと思っても理解できないと思います。
1話目から3話目で1つの短編が終わるので、観ようと考えている人には3話まで観て視聴継続するかどうか判断してもらいたいです。
全体的な内容としては死生観がテーマだと思います。
現代では長寿の研究が進んでいますが、人間の致死率は100%。
人間は必ず死に直面しますが、地球上の民族や宗教によって「死」の捉え方は様々です。
個人的な意見を述べさせてもらうと人間は死んだら終わり。
霊魂とか死後の世界は胡散臭いと思っています。
死んだ後の世界を生きている人間が説くなんておかしな話。
人間の不安を増幅して私腹を肥やして生きている宗教家が多い気がします。
ただし、生きている人間が故人を憶えている事によって死んだ人間が生かされるとも思っています。
まあ身近の人間が死んだことが無ければ、「死」を意識しないのでしょうね^^;
突然、誕生日を祝う場面があります。
誕生日は、その人が生まれた日でもあり1年を無事に過ごせた証になる日でもあります。
1年間生きる事ができた感謝とともに、これから先の1年を健康に過ごす事ができるような記念日なのではないでしょうか。
個人によって違う誕生日は、自分自身を区切る事ができる特別な日なのだと思います。
短編のエピソードが中心でありながら全体を通してもまとまりのある作品。
1クール(全12話)を有効に使って、退屈する話はありません。
かなり重い作品だとは思いますが^^;
重いテーマの作品なので、視聴するのが難しい人がいるかもしれません。
音楽の好みについては個々によって差があるのは分かっていますが、
OP曲とED曲の出来が素晴らしいので、話の内容を敬遠している人にも曲だけはチェックしてもらいたいです。
重いテーマと主人公であるアイの可愛らしさが相反する気がします。
この対比は制作者側が観やすくなるように意図して作ったのかもしれません。
あくまでも個人的な意見ですが^^;
日本において交通事故で亡くなる人よりも自分で命を絶つ人が多い世の中なので生きていくのがツラい現実は分かっていますが、その現実に目を背けることなく正面から受け止める勇気も必要。
「死」という事を考えさせる事によって「生」の大事さを認識する事ができる作品でした。