ローズ さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや。
進学校から全寮制というだけの理由で大蝦夷農業高等学校へと進学した八軒勇吾(はちけん ゆうご)。
夢や希望を持っている周囲の人間に影響されながら八軒の高校生活は始まるのであった。
何と言っても本作品のテーマは「食」でしょう。
エサを欲しがりながら除け者にされている子豚を八軒は”豚丼”と名付けました。
相手はペットではなく家畜です。
将来、肉として人間に食べられる事は確定しています。
食べると分かっていながら名前を付けて愛情を注ぐのは難しい事だと思います。
日本における農業・畜産業の問題についても触れています。
本来なら自然と共生して育てる作物に添加物をいれるかどうか、動物に愛情を持ちながら家畜として殺さなければいけない状況など、消費者の視点ではなく生産者の視点から物事を捉えています。
畜産は動物が相手であるため、年中無休で働きます。
大規模な土地を持って効率よく生産できる設備の整った農場や牧場は日本に少ないでしょう。
小・中規模な農場や牧場においては、後継者不足も懸念されています。
本作品でも取り上げられていましたが、毎日早朝に起床して動物の状態によっては深夜まで働きづめの事もあるでしょう。
かなりキツイ仕事である事は確かです。
さらに日本に農業・畜産業に追い打ちをかけるのはTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉です。
今回は取り上げられていませんでしたが、この交渉が相手の思い通りになってしまったら大打撃を受ける事は確実です。
詳しい事は新聞か報道番組で^^
人間は動物を殺生する事によって、日常的にご飯を食べています。
「私は菜食主義だから関係無い。」などと言う人には、植物にも命がある事を分かっていないのでしょう。
食前食後の挨拶である「いただきます。」や「ごちそうさま。」を言う習慣を子供の頃から礼儀として身につけておきたいです。
宗教的な事を言うつもりはありませんが、食べ物の生産・加工・流通の過程を考えると感謝の念を持って当然だと思います。
日常生活の中で一番大切な「食」について関心を持たせるには十分な内容です。
今日も食卓に上がる料理に対して感謝しながら美味しく食べましょう。
2014年1月からの2期目の放送も楽しみです^^
【追記】
リアルタイムなど深夜に放送を観ているとお腹が空いてくるので注意。
夜中の間食と『銀の匙』は、色んな意味で身に付くのでw