唯斗 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
素晴らしい、でも残念
賛否両論でるところですが、自分としてはとてもよかった。
今まで、宮崎駿さんは子供向けに映画を作ってきました。
どれも元気や勇気をもらうばかりで、本当に感動したものです。
今回の作品は、あえていうなら「大人向け」
ただし、それでも難しい作品です。
簡単に言えば、感情移入が難しいからだと思います。
主人公は飛行機を作れば、戦争に使われるのもわかっていて。
それでも作る道を選びます。
何千人、何万人という人々がそれで殺されるというのも知っていて。
そういう時代だったのはわかりますが、大きな葛藤もありません。
そして、なによりも薄い。
内容としては濃いのかもしれませんが、薄い薄い薄い。
テーマが重いだけに、その薄さが目立ちます。
関東大震災がおこり、満州事変もおこり、第二次世界大戦もあり
それに生きる主人公を描くわけですが
あまりにも描写が少ない。
この作品は
どんてん返しがあるわけでもなく、興奮するようなところがあるわけでもありません。
淡々と物語が進んでいく感じです。
登場人物の生き方やその個性はとても良いものでした。
どんなことがあってもめげず、夢に走り
自らの生き方を貫くその姿は感動しました。
作画や音楽、演出は劣ることをしらず、進化をしているようにも思えましたね。
これぞジブリって感じ。
細かいところまでしっかりと書かれていた。
ただ、やはり残念ですね。
一人の人間の半生を描くには少し短い時間だったのかもしれない。