にゃんにゃ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
頑ななまでに貫く「らしさ」 追記
近未来のスペースオペラ
賞金稼ぎで、その日暮らしの生活を送る、4人と1匹の仲間たちの日々。
魅力的なキャラたちが繰り広げる、
人情味あふれる話や、あほくさい話など色とりどりのストーリー、
そしてハードボイルドな世界観が観る者を魅了して放さない。
一言で言うと、「かっこいいアニメ」
なんて言いつつ、
世間(びばっぷファン)が言うほど、かっこイイとは、たぶん思ってない方のにゃんにゃです。
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この作品は、基本1話完結型の作品なんだけど、
各話ごとのストーリーは、とてもよく練りこまれていて面白い。
一言でいえば、賞金首を捕まえる、ただそれだけなんだけど、
そこにさらに全く別方向からアプローチしてきた話が、いつの間にかシンクロしてくる。
その、複雑に絡み合ったいくつかのストーリーが、最後には綺麗にまとまるので、
各話観終わった後は、なんとも言えない満足感。
必勝パターンが確立されてる、そんな印象。
そして、そのストーリーを支えるのが、個性豊かなキャラクター。
(といっても、ツンデレやらおっぱいやらといった萌え要素は限りなくゼロに近い)
普段はみんな自由気ままで、ちゃらんぽらん。今が楽しけりゃそれでいい、
といった雰囲気のキャラ達なんだけれど、
実は、それぞれが過去につらい経験を持ち、大きな悩みを抱えながら今を生きている。
普段見せる明るさと、心に抱えた闇がとってもいいアクセントになっているかと思う。
そのおかげで、時おりみせる過去への執着、仲間に対する信頼などが、より重たいものに感じられてくる。
さりげなく発する一言が、なんでもない一言なのにカッコよくてたまらない。
たぶんもう、感情が麻痺しちゃってるのかな。
なんて思ったり、思わなかったり。
あと、曲もおしゃれで好きっちゃー好き。
アクションシーンとかもリズミカルで、まるでBGMに合わせて踊っているかの様なしなやかさ。
このアニメそのものが1つの音楽を奏でているような…
そんな統一感を感じる。
これほど魅入ってしまうアニメ、そうは無いかなって。
まあ、それは言いすぎかもしれない。
追記①
男臭さが売りのアニメではあるが、先に言ったように、そこまでかっこいいとは思っていない。
一番心惹かれたのも、フェイのストーリー。
ちょっとしたストーリー紹介だけど、是非。
{netabare}
過去の記憶をなくした女性、フェイ。
彼女はスパイクたちとの生活を楽しみながらも、常に自分の過去に執着してきた。
自分のことを知る人間に会うと、周りが見えなくなるほどに。
いくつかの空振りを繰り返したのち彼女は、ついに過去への決定的な手掛かりをつかむ。
しかし彼女はその手掛かりを前にして、逃げ出すことになる。
過去を知ることに対する恐れか、時代に取り残されたことに対する悲しみからか。
人から聞いた情報としてではなく、確かな経験として、過去を自分のものにしたかったのかも知れない。
想いかなってか、彼女は過去を思い出すことになる。
ビバップ号を飛び出した、彼女の前に突きつけられた現実。
過去そこにあった居場所はもう、今そこには無かった。
途方に暮れる彼女。
また同様に船を去ったエドの嬉々とした旅立ちと、途方に暮れるフェイとの対比が
さらに虚無感を募らせる。
加えて、残された二人が、
去るものを引きとめようとせず、それでいて卵をやけ食いする描写には
4人の絆の深さと、そして、「彼ららしさ」を強く感じさせられた。
こうして彼女の話は終わるわけだが、まだ、過去を断ち切れないものがもう一人いた。
そうして最終2話に続く。{/netabare}
最後まで目が離せない。
この物語が終わってのち、
彼らの居場所が、そこにあり続けるのか、それとも別のどこかにみつけるのかは、
推測するより他にない。
しかし25話次回予告フェイのセリフが、全てを語っているのかも知れない。
こういった類のアニメはとっても希少。
最近の萌え萌えアニメに飽きてきたという人には、一押しの作品かもしれない。