◎TARGET さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「平成」狸合戦なのに「昭和」の臭いしかしないw
❏総評
まぁ一応ジブリなのでちょっとは見れるが、
学習教材ビデオみたいな説教臭さがあって微妙な作品。
だいたいタイトルが「平成」狸合戦なのに
「昭和」の臭いしかしないという矛盾w
❏作品テーマ
「人間と自然の共生」
と言いたいところなのだが、
実際作中ではあまり人間視点が無く、悪者寄りに描いており、
かなりのタヌキ視点だったと思う。
よって
「人間様にやられた狸の悲哀」
と言った方が正しい表現かもしれない。
ここが宮崎駿氏と高畑勲氏の違いなのではないかと思う。
❏日教組監修の左翼思想的な「学習教材ビデオ」のような作品
宮崎駿監督の「もののけ姫」では人間側も自然側にもそれぞれの
正義がありつつも、生きるがゆえに対立が発生してしまう状況が
見事に描かれていた。そして最後には強いものが生き残り、
弱いものは死んでいったとしても、そこには被害者も加害者もなく
それらを包括して生命なのだということを感じさせてくれる。
一方、高畑勲監督の「ポンポコ」の方は、狸という「被害者」と
人間という「加害者」という図式を構築しつつ、
だいぶ「被害者」側に焦点を当てて描かれている。
「被害者はかわいそう。加害者は悪いやつだ」という構図である。
私はこのような左翼思想的な考えが好きではない。この左翼思想的な
説教臭さが、まさに日教組が監修する「学習教材」を彷彿とさせるのだろう。
❏擬人化された狸の心情がうそ臭い
あと、人間ではない狸という被害者にフォーカスした物語なので
狸に感情移入させやすくするため、かなり狸を擬人化しているのだが、
実際の狸が考えそうもない事を彼らは考えている。
擬人化されたタヌキたちの価値観が「高畑勲」氏の世代の人を彷彿と
させる価値観なのが、なんか白けてしまう。
狸なんだから、「ご飯食べたい」とか「縄張りが減った」とか
「道路で車に轢かれそうになった」とかの方がリアリティが
あったのではなかろうか。
❏最後に
腐ってもジブリ作品なので、クオリティは最低ラインある。
ジブリ制覇したい人は見てもいい。
しかし、ジブリの中ではかなり下の方に位置する作品なのは確かだ。