るぅるぅ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
設定の好みはでるが・・・百合作品としては秀逸。
世界を滅ぼすオロチ衆の魔の手から救うロボットストーリーで進む一方、ダブル主人公の来栖川 姫子と姫宮 千歌音に加え姫子の幼馴染である大神 ソウマの純愛物語が紡がれた百合作品の代表格の1つ。
この作品の大きな特徴はロボットとソーマの存在。
間違ってもバトルシーンが優れているというわけではない過剰な期待はしないで下さい。
それでも5話ソーマVS兄ツバサの死闘は挿入歌と力を注いでいたのは感じられたが他は物足りないです。
では、なぜロボットが必要か。
千歌音とソーマを対等に扱える舞台設定になる。一般的なバトルアニメ風に描いても良かったと想いますが、そこはロボットのインパクトを植え付けたいぐらいかと想う。
それでもロボットじゃなくても良いんじゃないの?
と、男女の力量さ感じさせずご都合主義設定にならない心情描写を見せつけることに意味を見出す。
ソーマは熱血タイプのヒーローで姫子を守る騎士のような存在で最も幸せ願う勇ましい姿。
それに反して千歌音は、姫子を守ることも出来ない歯がゆさを抱きソーマに嫉妬・憎しみにも似た感情が募ってゆく。
好きな人を守りたい想いゆえに行き場の無い感情だけが漂い、姫子への愛情が一線を越え巫女である宿命を知り破錠してゆく。
そこが作品の見所であると感じる。
最終的にソーマは使い捨てキャラに見えるが、姫子と千歌音の愛情の対比で、そのキャラ設定自体がヒーローとも呼べるほど熱い男なんですw
これほど報われない男性キャラはいないが、他のアニメなら主人公格になっていることは間違いないです。
テーマは、愛情の許容。
ソーマ目線で観ると愛憎劇に潰された悲恋物語でありますが、姫子と千歌音の愛情を積み重ねた純愛物語。
スローテンポな展開ではありますが中盤7話ぐらいから加速し結末の余韻も良くいつもと違う百合作品が観たい方は必見。
設定は色々と浅く見えるが巫女の宿命を知った時に伏線回収にもなっており千歌音の独占欲とも取れる愛情の深さが浮き彫りになる結末に酔いしれても良いかもしれない。