にゃっき♪ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
what were once vices are now habits
個人の適性により職業を振り分け、犯罪係数を拠り所に反社会性分子を排除するシュビラシステムが管理する近未来が舞台。
PSYCHO-PASSとは個々の人間の性格や能力、その時々の精神状態をデータ化したものと考えればよいでしょうか。Sci-Fiでは定番の特殊能力ではなく、対象の犯罪係数を測定して適切な処置を選択するドミネーターという特殊な銃を携行して、実行部隊の執行官とお目付役の監視官がチームになって犯罪者を取り締まる公安局メンバーの物語です。
シュビラが導入されて30年。一般大衆はシュビラのもとで、すでに自ら判断し行動することを放棄してしまい、温室育ちの彼らにとってシュビラはすでに必要不可欠な存在になっているのですが、シュビラは最初から何やら胡散臭いんですよね。
初めての現場で「何もしてない被害者を撃つなんて納得できない」とシステムの判断に背いた新人監視官の常守朱を、成績優秀で適性が高いとシュビラシステムは判断します。どうやら監視官に要求される適性とは、システムに忠実なことではなく、周囲の雑音に惑わされず、冷静で合理的に自分自身の判断が出来ることのようです。
シュビラは何故システムに安易に取り込まれない人材を高く評価するのでしょう?
序盤の個別の事件に見えた犯罪の陰にはシュビラに反旗を翻し、犯罪者を支援して人間の尊厳の回復を目論む槇島聖護の暗躍がありました。
頭脳戦とも言える槇島聖護と監察官の狡噛慎也の対決や、驚くべき成長を遂げていく常守朱など、見所が満載の作品で、シュビラの実態に迫るあたりは目が離せなくなると思います。
ばら撒かれた伏線が多く、画面の隅々はもちろんのこと、OPがちょっと違っていたり、EDの後で驚くべき映像を見せられたりする油断の出来ない構成ですので、じっくり考察したり、妄想を膨らませる材料に事欠かないと思いますが、逆に頭を空っぽにしてのんびり視聴するには不向きな作品かもしれませんね。
気になる伏線が多数残っているので、仕切り直しで始まる2期にはとても期待しています。