STONE さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

キャラの特性とストーリー展開の関係性

　原作は未読。
　1期とキャラクターデザインが変わっており、全体的に可愛い感じのタッチになってますね。
そのために最初はかなり違和感があったのですが、しばらくしたら慣れた。
　どちらが好きかは人それぞれだと思いますが、個人的にはややリアル寄りの1期のキャラ
デザの方が好きでした。
　主人公である沢木 惣右衛門 直保もだいぶ可愛くなったが、沢木のパッとしない感じが、
1期のデザインの方が合っていたように思えるし、1期はヒロインに艶めかしい色気があって
好きだったかなあ。
　デザイン変更とは直接関係はないのだろうけど、武藤 葵などは1期では色々な面を持っていた
キャラだったのに、今期は単なる酔っぱらいキャラになってしまったみたい。

　1期では沢木が主人公なのに存在感がないのが気になったが、本作では多少ましになった
感じ。ただ、基本的には達観していると言うか、あまり思い悩んだりしないんだよね。
　通常、主人公が色々と考えて動くことによって話が動いたりするのだが、沢木がこれだから
話を動かすのはもっぱら脇役といった印象。ただ、この脇役の動きが前振りの割には、思ったより
地味なものだったりする。
　各キャラに関してはそれぞれが個性的でキャラが立っている印象なんだけど、この各キャラの
特性がストーリーとはあまり関わっていないのが凄く勿体ないなと思う。
　例えば長谷川 遥がボンテージファッションであろうがなかろうが、及川 葉月が潔癖症で
あろうがなかろうが、結城 蛍に女装趣味があろうがなかろうが、ストーリーには大差がない
ような感じ。
　同世代の男女が複数いるゼミが舞台だが、今回も恋愛関係はほとんどなし。これはみんなで
ワイワイやるという展開では、恋愛描写はむしろ邪魔になるということで、あえて排除して
いるのかな。
　総じて作品全体に安定感はあるが、動きがないなという印象。

　個人的には、ストーリー展開より農大の日常を描いた小ネタの方が面白く感じたりするの
ですが、今回は後半がもっぱらフランスを舞台にした展開になったため、その辺は1期より
半減。
　ただ、長谷川のバックグラウンドがだいぶ詳細に描かれたのが良かったし、フランス編での
マリーを中心としたワイン作りの展開はなかなか面白かった。ワインの知識もためになったし。

　1期と同じく、菌劇場やキャラのうんちくのおかげで、菌や発酵についての知識が身につく。
　ただ、この作品を見ると、酒は飲みたくなるし、発酵食品がやたらと食べたくなってしまう
けど。