◎TARGET さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
千昭役(石田卓也さん)がちょい残念だけど物語は◎
❏総評
細田守監督作品。
基本的には面白かった。
絶対見て損はないと思う。
❏声優に関して
これは宮崎アニメもやってる手法なのだが、
「声優」職の人ではなく「俳優」を声優として起用してるのが、
キャラクターをとってもリアリティあるものにしている。
紺野真琴役に関してはこれが吉と出たが、
間宮千昭役に関してはいささか疑問が残った。
主役の紺野真琴役を演じた仲里依紗さんの演技は、
かなりハマっていた。声優の専門職の人には出せない味を
恐らく製作者側が狙った通りに出せていたのではないだろうか。
製作者が彼女を起用したのは大成功だったと言えるだろう。
実際、彼女は2010年制作の実写版「特をかける少女」でも
紺野真琴役を演じている。これは実写版制作スタッフが
彼女の演技を認めたということを証明している。
さて私が疑問視している間宮千昭役の石田卓也さんに関してだが、
よく言えばリアル過ぎるぐらいリアルなのだが、悪く言えばかなりの
大根役者wな印象を受けた。なんか演技をしなさ過ぎていて
(そこが製作者側の狙いなのかもしれないが)、キャラクターと声が
一体化していなかったような感じた。キャラクター自身が話しているのではなく、
キャラクターの後ろで話している誰かが見えてしまうといった感じ。
彼の滑舌があまりよくないのもあるかもしれない。
人によって意見は色々あるとは思うが、個人的な意見としては
私は石田卓也さんは声優業にはあまり向いてないような気がする。
❏物語について
学校内での彼女たちの生活は、脚本や声優(俳優)さん達の演技力もあり
ごく身近で自然と親近感がわいてくる。主役の紺野真琴のコメントや行動も
コミカルで笑ってしまう場面がチラホラあり良いエッセンスになっている。
言い換えると制作者が視聴者側にはすごくリアルな「日常」を感じさせようとしている
意図をすごく感じる。
これは物語の進行する中で、時間を過去に遡ってやり直せるという
タイムリープ(時間跳躍)という非日常的なモノがでてくることにつながってくる。
「非日常」を際立たせる為に「日常」を意識させているのである。
だからこそ「声優」ではなく「俳優」なのであろう。
このように強弱の付け方がしっかりしているので、この物語は面白いのだと思う。
物語で一つだけ惜しかったのは、一番最後のオチである。
{netabare}
「未来で待ってる」って言われても、
何らかの方法でまたタイムリープの手段を見つけて未来に来いって意味なのか、
年取って中年ぐらいになったら若い彼に会えるのか、
それとも死んで魂になっても未来で会えるよね的な感じなのか
どのように解釈すればよいのかわからなかった。
(解説サイトでも絵画を未来に残すとか、色んな解釈がある。)
解釈をわざと曖昧にして、視聴者にあれこれ想像させることで
面白さを増すような手法があるのは理解しているが、
仮に手法としての曖昧さだとしても、もうちょいわかりやすくして欲しかった。
個人的にはこの作品のこの場面で別に曖昧さはいらないのではないかと思う。
{/netabare}