「翠星のガルガンティア(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
2871
棚に入れた
14409
ランキング
135
★★★★☆ 3.9 (2871)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

虚淵玄氏の哲学はすばらしかったです

タイトル通り、虚淵玄氏の哲学はすばらしかったです。
同氏の作品は大方視聴していましたが、この作品の人間に対する定義や生物観は今までにない物でしたのでとても興味深く拝見させていただきました。

ただ、物語自体は少し不満が残らなかったわけではないです。
個人的な意見なのですが、ラストシーンでベベルが人間はヒディアーズと銀河同盟と地球に残る3つの派閥に分かれたと言っていましたが、そもそも地球が環境問題や戦争に耐えれそうになかった為、ヒディアーズ側と銀河同盟側は宇宙に出ることを選んだはずなのに、地球に残ると言うことは可能だったのでしょうか。たとえばそれが可能となる文明だったならば、少なくとも現在船に乗りあてのない航海を続けるような文明であるはずが無いように思えます。

「人間の定義」
チェインバーによるとヒディアーズは人間としての尊厳つまりは文明を発達させることを放棄し、生命を繁栄させることに重点をおいた生物であり人間とは相容れぬものであるという。
また銀河同盟は人類の叡智の結晶としてパイロット支援啓発インターフェイスシステムを創造しまたそれらを人類の文明発達の象徴であるという。
よってチェインバーはたとえ根源が同じであってもヒディアーズを人間とは認めていない。
また、クーゲル中佐の船団の住民は権利を享受することに甘んじ、自ら自身の存在を誇示することなく強大な力に屈することで生きながらえ、他人に支配されることで自ら思考することを放棄しつまりは権利者の恣意で自己の尊厳を剥奪されることになんの疑問も持っていない者たちである。チェインバーの定義する人間とは、自ら文明を発達させ叡智をなす存在である。そこから考えるに、クーゲルの船団にいる住民はヒディアーズと同等であるとも考えられます。
ここまで書いておいて何ですが、最終的なレドとチェインバーの考えは全く異なるものなのではないでしょうか。
例えば、チェインバーが造作もなくストライカーに勝利していた場合、クーゲル船団の住民をどうするつもりだったのでしょうか。ストライカーは自称人類啓発インターフェイスですが、あくまでチェインバーは自らをパイロット支援インターフェイスと呼称してますよね。うーん・・・。私の理解力不足かもしれませんがこのあたりが私個人の若干の不満点です。

不満点を書き連ねてしまいましたが、世界観などは本当に美しく、細部までこだわっており良いです。世界観と言う意味では攻殻機動隊級だったと感じています。
作画もときには崩れることも有りましたが、基本的には素晴らしかったです。なにより背景が美しいです。

総評
面白かったです。ですがもう一歩欲しかったです。
かといって序盤のガルガンティア船団の話がいらなかったとは毛頭思いません。ダンスシーンなどは本当に幻想的かつ優美に感じられあのシーンがなければ独立した箱庭的世界観を感じることも無かったと思います。最近流行りの16話構成などなら良かったのではないでしょうか。レドの離別までを8話。完結までに8話。のような構成で。

しかし、虚淵玄氏の今までにない哲学なども垣間見ることが出来、同氏の転期とも考えられる作品のように感じられます。
これからも期待したいです。

投稿 : 2013/07/12
閲覧 : 198

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