「DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION(TVアニメ動画)」

総合得点
67.5
感想・評価
948
棚に入れた
5373
ランキング
2441
★★★★☆ 3.4 (948)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

3713 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

原作ドコー

崩壊していく世界で7日間の神の試練を乗り切り新しい世界を切り開く、といったストーリー。
主人公は平凡な高校生。
死に顔動画という友人の死を予告するサイトに登録したことから悪魔を使えるようになり、友人の死の回避を目指つつ、どういった世界を作るのかといった争いに巻き込まれていく。

原作は女神転生やペルソナシリーズでお馴染みのアトラス社のゲーム。
マルチエンディングで実力主義の世界や平等主義の世界、元の世界への回帰などの選択肢がある。


感想として一言で言うなら「どうしてこうなった!?」と叫びたいクオリティの作品。
デビルサバイバーシリーズははOCと2をクリア済みで、すごく楽しみにしていた分ガッカリだった。
同じアトラスゲーのペルソナ4は原作を踏襲したいい出来だったのに、本当になんでこうなったの。

ゲームが好きだったので辛口、評価ではなく文句を言いたいだけみたいな文章になりそうなので、アニメが好きな人はスルー推奨です。
テレビのネタバレだけでなくゲームのネタバレも含むので、これからプレイされる方はご注意を。



{netabare}
①各キャラの性格
全般的に原作から乖離しており、魅力的なキャラクター像が古典的で典型的なキャラクター像になっている
平凡で熱血系な主人公や冷酷無比な組織のボスになっていて、しかも生かしきれずに設定だけが上滑りしている印象がある。

1.主人公
原作では選択肢にも寄るが、基本的には図太く冷静。
かつダイチのエロトークに乗ったり、覗きをした仲間を女性にバラそうとしたりと飄々としながらもイイ性格だと思う。
ところがアニメだと突然の力に戸惑いながらも戦う主人公、とだけ書けば良くある平凡な主人公像なのだけど、極限状態の中で戦えなかったり、別のグループに勧誘されたからころっと寝返ってみたりとブレが凄い。
主義主張が定まらず寧ろイライラ系な主人公になっており、さらにこういった平凡主人公な場合には必須な成長がまったく見られない。

2.ヤマト
ゲーム序盤では若干猫かぶりで高圧的な態度だが、使える人間は「駒」扱いもしつつも認めてそれ相応に接する。
実力第一主義だが、自分と敵対した人間であっても負かした後に実力を認め自分の軍門に勧誘したりと、流石大組織の長なだけある懐の広い印象…がどこを探してもない。
アニメでは常に喧嘩腰で冷酷で強いだけの組織のトップであり、それで部下を動かせるのだろうか。
タコ焼きの件もカットなのは解せぬ。
完璧人間にもコミカルなところがある、というのは結構大事なことだと思います。

3.フミ
私がフミ好きなので是非とも言わせてください。
フミは研究狂いなので変態であっても(ゲームでは研究者みんな変態だから、といような発言があります)、実験中にジュンゴを危険に晒して反省するシーンがあったり、お世話になったホストファミリーの写真がなくて焦ったりと、人の情には疎くても人命にはフミなりに大事にした対応する。
そしてポラリスのことをぽらぽらと呼んだりするカワイイとこもあり、トランペッターにパソコンを投げつけて無理やり言うことを聞かせる、というおもしろいシーンがあるのですが、もちろんカット(´・ω・`)
ただのマッドサイエンティストと化している。

その他のキャラについてはメイン級が1話で何人も死んだりとキャラ設定のお披露目もままならぬうちに爆死させられ、何が何だか。


②展開
フラグが立っていないのに展開が進む。

ゲームでは7日間でそれぞれが異なる主張を巡って対立し、主人公がどれに与するかによってエンディングが変わる。
簡単に言うとヤマトの実力主義、ロナウドの平等主義、ダイチの回帰・もしくはポラリス打倒、憂う者の新世界創造の4種類。
エンディング後のポラリス(神)からのメッセージや、大地ルードだけが憂う者を除く全ての仲間と一緒に進めるので回帰を目指すことに関しては良いと思うが、アニメは肝心の仲間がバッタバッタ死ぬ。

恐らくゲームでも最も死なせやすいケイタが最初に死んでしまうのは演出上仕方ないかもしれないが、平等主義のリーダーを務めることになるロナウドがあっさり爆死し、ついでと言わんばかりにオトメさんとジョーも一緒に死に、結局最後は主人公とヤマトしか残らないという…工エエェェ(´д`)ェェエエ工
ロナウドに死亡フラグが立った時点でルート分岐どうするんだまさかなーとは思っていたのですが、もう最悪に裏切ってくれました。これは酷い。
白虎の件から周回ループしてる主人公かと思ったらそんなこともないし。

救いはイオが助かったところだが、原作は結構あっさりな展開がとてもドラマチックになっていて、しかも龍脈が突然すぎて感動できなかった。
唯一のヒロインと主人公っぽいことをするシーンなんだから感動的な演出をするならフラグ管理をしっかりしてほしい。

そして大地が最弱設定なのもなんでなんだろう。
ゲームだと力速特化で仲魔より早く敵に無双してくれたりするのだけれども。
ラストで覚醒するにしろ、なんで覚醒に至ったかの理由がない。
友情パワーとかで何とかなる物語ではないはずなのだからフラグ立てておいてください。

最終的にヤマトだけと対立するにしても主人公の主張が唐突すぎてわけわからんし、そもそも大地がどうして回帰を選ぶことになったのか、それに大してどう思ったのか、という過程がすっ飛ばされすぎ。というかほぼない。
ヤマトがヒビキの死に顔動画が届いたということも、そもそもなんで友達だと思ったのか。
アニメでそんな関わりあったっけ。

また、ゲームではヤマトは世界がクズばかりで守る価値がないことに落胆していも、峰津院の宿命である人々を守るという自体ことは誇りに思っている、というところはしっかりやってほしかった。

全般的にキャラは掘り下げがまったくなく、魅力的なキャラクター勢のはずが薄っぺらくて設定だけが浮いている感じ。
カーマを呼び出すのになんでアイリのヘソだったのかとか、ジョーの恋人との関わりとか、ロナウドが平等主義を目指す理由とヤマトと対立する原因だとか、シリアスもコミカルも全カット。
綺麗さっぱり何もないよ!

代わりにヤマトと憂う者の描写がゲームでもないことが沢山追加されているものの、ここまで時間とって強調することか?と感じた。
ゲームでは細かな描写はないし、そもそも2クールならまだしも1クールなんだから他にやることあるだろうに。

個人的に気になったところとして、ジュンゴとアイリのコンビ描写。
ゲームだとアイリはヒナコと関わりが多く、ジュンゴはケイタとが多い。
ヒナコは良いお姉さんでアイリは生意気だけどカワイイ妹、ジュンゴは仲間思いでケイタは一匹狼なツンデレボクサー(ゲームの選択肢より)と会話も楽しく、真逆の人間と接することで成長していくはずが、なんでアイリとジュンゴが猛プッシュされたんだか。
二人の仲良しっぷりも良いけどゲームのシーンを削ってでも追加するのはなんでなの…。

最終話はイオが不憫。
アニメでも主人公のことを良いなぁと思っている描写が出てくるのに主人公が大地とくっつけさせようとするのってどうよ。よりにもよって主人公が!
仮にもメインヒロインにあの扱いはない。

そして主人公は主人公でヤマトのところにすっ飛んでいくし、ヤマトはわざと知らないふりをするし、イイ最終回ダッタナー。
アニメスタッフはどう着地したかったのか理解に苦しみます。


③バトル
原作は悪魔と一緒に主人公も戦う。
拳と魔法で相手に突っ込んでいけるのがアニメではケータイをポチポチやってるだけで何ともシュール。
ペルソナと比べてデビサバは媒体がケータイのせいなのかカッコよくない。

ゲームでは敵の弱点を突くのが大きなポイントでほかにもスキルを上手く組んで相対しなければ勝てないのですが、その辺りも一切なし。
基本的に悪魔の名前を叫ぶだけで技名もないし、超劣化版ポケモンみたいな。
ペルソナ4もアニメでは基本命令するだけだったし仕方いないけど。

それにしても初日でレベル50超えの悪魔を呼び出す展開はどうかと思う。
てっきりループものなのかと思って期待したけどそれもナシ。

最終戦で突然「悪魔合体」というものが出てくる。
ゲームでは序盤からありとてもお世話になる、というかこれがないとまず勝てない。
スキルなんかを合体する悪魔によって付け替えることが出来るので、頭を捻ってより悪魔を強くしていく楽しみがあるのだが、アニメはいきなり出てきたのでとてもビックリした。
説明一切なしで突然こういうものがあるんだー!みたいに言われても( ゚д゚)ポカーンでついていけません。
ないなら最後までなくて良かったんじゃね?
あるなら伏線用意してください。


④女の子とかキャラとの絡み
ペルソナ4はギャルゲー要素をしっかり盛り込んでくれたのにデビサバはなぜないのか。
期待していたので声を大にして言いたい。
足を痛めたイオに執拗に「おんぶする?」と言うシーンだとか、朝に部屋にやってきたマコトさんに「えっち!」と言って狼狽させるシーンだとか、むしろまだマコトさん部屋に入ってきてないのに「えっち!」と言うシーンだとか、アイリに「兄と呼べ」と迫るシーンだとか、フミに優秀脳みそを見せつけて「ちゅーしてあげようか」と言われるシーンだとか、オトメさんにお付き合いと年齢差を匂わされてノリノリの選択肢を選んだらうまくはぐらかされたけどオトメさん大人の女性カワイイとか思ってみたシーンだとかが

全 カ ッ ト で す ! !
ちくしょう!




大体こんな感じです。
唯一よかったのは音楽くらい。
秋にはデビルサバイバー2ブレイクレコードという追加版が発売されるので、興味を持った方はそちらからプレイすることをオススメします。
*2014年に延期です泣きたい
ヤマトにそっくりな女の子も出るよ!{/netabare}

投稿 : 2013/12/23
閲覧 : 208
サンキュー:

4

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