にゃっき♪ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
Unnecessary disease to cure
前半のラブコメ路線で最後まで突っ走って欲しかったので、個人的にはとても残念な作品です。
程度の差こそあれ誰にでもあてはまりそうな事なのに、極端な事例しか出てこないのではシリアス路線に持っていくべきではないと思います。そもそも中二病は急いで治癒すべき病気ではないし、無理に卒業する必要もないのではないでしょうか。
父親の死を受け入れられないから現実逃避というのもわからなくはないですが、遅かれ早かれ必ず訪れ、誰もが自分で乗り越えていかなければならない事です。
背伸びをしたがるのも、歪んだ承認要求も、本人がオトナになっていくために必要なら周囲は温かく見守るしかないと思います。
例えば大のオトナが誰にも見られていないと思って、アニメのキャラの決めポーズをとってたらどうでしょう。もちろんドン引きする人もいると思いますが、親近感をもつ人だっているんです。
社会に出てからも、おかしな言動で周囲に迷惑をかけているならともかく、隠れ中二病のような症状は、それこそ一生涯持ち続けても何の問題もない個性のひとつだと考えます。
頭から育児放棄して主人公の勇太に頼る姉や母親も問題ですが、その期待に応えるためにあっさり説得役にまわる勇太にも違和感を感じました。
覚悟も葛藤もなく他人の人生に深く踏み込むのは見続けるのが辛いです。
それに誰よりもヒロイン六花の事を思っているであろう凸守を、なぜあんなに泣かせるまで追いつめる必要があったのでしょう?私は凸守が可哀想で涙なしには見ていられませんでした。
繰り返すようですが、中二病であれオタクであれ周囲に必要なのは温かく見守ってあげる事です。将来若い視聴者の方々には、子供が夢中になっている事を頭ごなしに否定しないで、いっしょに楽しんであげられるような親になってあげて欲しいのです。願わずとも、やがて卒業する時はやって来ますが、いっしょに楽しんだ記憶はかけがえのない宝物になるに違いありません。