Lovin さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

見た感じ

■概要{netabare}
　原作：椎名軽穂（「別冊マーガレット」連載）

　監督：鏑木ひろ
　シリーズ構成：金春智子
　キャラクタデザイン：柴田由香
　制作：ＰＲＯＤＵＣＴＩＯＮ　Ｉ．Ｇ
　話数；２クール全２５話

　ＯＰ：「きみにとどけ」
　　　　　ｂｙ　タニザワトモフミ

　ＥＤ：「片思い」
　　　　　ｂｙ　Ｃｈａｒａ
{/netabare}
■感想
　原作漫画は未読でレンタルＤＶＤを視聴。ただし視聴後にコミックを大人買い。人間関係を広げていく話。

　主人公は名前が「爽子」なのに、ふとした間違いからリングの「貞子」と呼ばれるほど見た目が少し陰気な少女。実は一人遊びが上手でポジティブな性格なのに周囲には伝わらない。皆と仲良くしたい、友達が欲しいと思っているのに上手くいかないが、持ち前の性格から悩んでいる様子は無い。

　そんな主人公には憧れるクラスの爽やか男子がいた。彼は居るだけで人が集まってくるまさにクラスの中心人物で、爽やかを絵にしたような人物に見えていた。確かに彼は真面目で、クラスで浮いている人を放っておけないタイプだという噂すらあった。そんな爽やか男子の主人公への態度は・・・

　第一話開始時から友人が独りも居ない主人公の最初の標的は友人だった。そんな主人公だったが、あることを切っ掛けに勇気を出してクラスメイトに話しかけてみる。主人公が唯一手にしている武器は誠実さだけだったが、誠心誠意、そしてはっきりと意思を示すことで、小さいながらも人間関係が広がった。

　ネタバレレビューなので書いてしまうが、このとき主人公には最高の友人が二人できる。今まで色々な作品の友人キャラを見てきたが、その中でも屈指の友人といえると思う。一人はガンガン前に出る歯切れの良いタイプ、もう一人は経験豊富に見える策士タイプで、主人公とは相容れないように見えるが、二人とも風貌と違って非常に誠実だ。

　次に対峙するのは、爽やか男子を巡るライバル。この時主人公が持っている武器は誠実さと友人だったが、主人公本来の性格から自力で撃退してしまう。決着が着いてから互いにライバル同士と認め合うｋとになるが、このときの主人公の行動原理には納得させられるものがあり感銘を受けた。

　間に友人の恋ばなが挟まるが、本来その手の話には縁遠いと思われたキャラの話だけに、少し熱くなるものがある。しかし彼女のキャラらしく、そして普段無口な友人の幼馴染が取る思いがけない行動に助けられた良い結末になったと思う。

　最後に立ちはだかるのは爽やか男子、つまり恋人。この戦いでも誠実さを武器に挑んでいくが、主人公本来の無垢な部分と相手あっての結末のため、結果はドローに終わる。しかし二人の距離は更に縮まっていき、勝負が付くのは秒読み段階といえる結果になる。

　この作品に登場する学生は、話してみると誠実な人間ばかりで、主人公はそれらにも助けられながら、交友関係を広げていく。正直者が馬鹿を見ないところが、夢物語ではあるものの優しい気持ちになる。反面自分の薄汚れた部分に気付かされ賢者タイムも迎えてしまうが。

　そういう意味では、無垢な少女の冒険活劇と捉えることもでき、男女問わず楽しむことが出来る。そして無垢な主人公が持つ最大にして最強の武器が、これ以上ない美しい笑顔である。発動率はきわめて小さいが、クラスが騒然となるほど破壊力は抜群だ。

　この作品には、魅力的な女性キャラが多く登場する。なかでも敗北後のライバルは、爽やか男子の前で素を出したところ、啖呵を切った後に後悔している顔を見せるところ、翌日サングラスをかけて登校するところなど、人間臭さがあって非常に魅力的だった。

　主人公に於いては、地味な印象を与えられるよう上手くデザインされていると思う。年齢的に男子は変形制服（ボンタンとか短ランとか？この学校はブレザーだけど）、女子はスカートを短くしたりしたがると思うのだが、そのスカート丈が色々なものを表わしていると思う。

　作画としては悪くはなくまずまずといったところで、少女漫画特有のゴテゴテした背景をスッキリと表現してあってよかったと思う。サブタイトル掲示時の背景には、ＳＤ化されたキャラが描かれているが、これがなかなか愛嬌があって可愛らしい。

　最後に、私はレンタルＤＶＤで視聴したが、第１６話の総集編が収録されておらず、総集編否定派の私にとっては嬉しい編成になっていた。

　＜以前書いた感想＞＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
　{netabare}人付き合いが苦手な少女が苦難を乗り越え友達や恋人をGETしていく話。主人公は真面目でいい人だが、見た目が陰気な性で避けられがち、それを受け入れてきただけに一人上手になり余計に孤立してしまう、みたいな。
　主人公本人は、実は皆と仲良くなるために努力をしているが報われることがなかったが、高校に進学してから徐々に良くなっていくという過程が、ある種のスポ根っぽくも思える。そういうところが応援したくなってくる。
　この作品も面白いと聞いていたが予備知識なしで見たところハマった。コミックスも１７巻くらいまで購入してしまうくらいに（最近数巻溜まっている事は知っているが購入できていない）。{/netabare}
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■蛇足{netabare}
　しかし北海道出身の漫画家の郷土愛は凄いのかな。

　高橋しんとか高津カリノとか、北海道が聖地の漫画が多い。
{/netabare}