painomi さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
至高の教育アニメ。感無量。
これは異世界の壮大な立国史。
世界観は、天子説、天人相関説や初期儒教の栄えた古代中華に類似するところ有、というよりも古代中華思想と古代儒教の一節に理想を感じて作者が飛翔させ創造した理想世界に見えます。
十二国記というタイトルの通り、十二の国の物語であり、主格キャラは明確に存在しますが、登場人物すべてを挙げていったら何十何百という単位になるマンモス作品です。視聴中、Wikipediaさんの十二国記の登場人物ページには何度も何度もお世話になりました、ありがとうございます。
物申す所を先にあげると全45話のうち、40話以降の後味の濁し方がひどく、有終の美を汚すなと怒りを覚えるレベルでした。39話で見おえて、どうしてもそれ以降を知りたいなら原作を読んだ方がいい作品だと思います。
さて、多くある当作品の見所の中、個人的に一番の見所だったのは登場人物達の心の成長でした。
とにかく世界に揉まれる。
たくさん喜びたくさん怒り、前に進めばたくさん苦悩し、たくさん感謝したくさん憎み。
第39話で主人公格の陽子の言葉から彼女がたどり着いた場所を感じた時は、感無量でした。
理想を求めるが故、過ちを知るが故、無知を知るが故、各々のその所以をしっかり受け止める事で人は変わることができるのですよ、と作品から説教を受けた気持ち。
全体的に説教じみた作品であるが、そこがいい。当作品をテレビアニメ化したのはNHKだが、教育アニメとしての資質に目を付けた所が大きいのではなかろうか。
最後に、あにこれでの当作品へのレビューで、序盤が辛いとの意見が多く見受けられ、また、そこに同意はしますが、未視聴の方々にはこれをポジティブな視点で見つめてほしいです。全体でみると一体化した陰陽そのものですから。