UMR1984 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あの日見たアニメの名前を僕達はもう忘れない。
最終話がついに終わりました。
ベタだけど最高の終わり方だったと思います。
お手軽なお涙頂戴でもない。でも泣ける。
安易に誰かと誰かをくっつけるラブコメ展開でもない。でも恋は確かにそこにある。
観る人が見せてほしいこと、見せてほしくないことを製作者はよくわかっていたということでしょう。
最後まで、とても綺麗に終わらせてくれて本当に良かったです。
本当に今期最高、歴代でも屈指の名作です。
物語の起承転結もしっかりしてるし、要所要所に伏線をしっかり張りつつ、それを効果的に回収してくれるのも◎
あとは、メインキャラたちがそれぞれ本当にいい。
誰かが空気になったりすることもなく、限られた時間の中でそれぞれのキャラの心理描写も怠らずやってくれます。
本当に素晴らしかったです。
声優さんたちの名演も忘れてはいけません。
最終話の神社での会話における声優さんたちの凄さには鳥肌が立ちました。
昔、どこぞの俳優が「声だけの演技なぞ演技ではない」と否定したそうですが、そんなことは言わせない素晴らしい演技だったと思います。
音楽も作品にすごくよく合ってて、雰囲気を壊したりすることなく、効果的に盛り上げてくれました。
言わずもがな、もはやEDは反則ですね。
物語としては、「過去」に捉われ「今」を生きられない者たちの成長を描いた人間ドラマだと思います。
死んだ人間をいつまでも忘れられず、それぞれが強い後悔の念を持って「今」とは乖離した世界で生きる超平和バスターズの仲間たち。
そのことに気付かない者、気付きながらも目を逸らす者、そこから逃避しようとする者…高校生というまだまだ発展途上の段階における心理的葛藤をうまく表現していたと思います。
「今」を生きろ、とはよく言われることですが、存外それが本当に出来ている人は少ないものです。
もちろん自分も含めて。
ふとトーマス・S・モンソンの言葉を思い出しました。
「過去の思い出に浸ったり、将来を待ち焦がれたりするのは心地よいことかもしれないが、今を生きることの代わりにはならない。」と。
もう二度と決して戻ってはこない「過去のめんま」からいつまでも逃れられず「過去」に生きる超平和バスターズが、「今のめんま」を通じて、最後の最後にようやく「今」と向き合い、どう生きるべきかを学んでいく様は、私自身いろいろなことを考えさせられました。
視聴者もきっと何かしら学べることがあるのではないかと思います。
もちろん、このアニメが合わない人もいるでしょう。
どこがいいのか理解できない人もいるでしょう。
多種多様な価値感が混沌と存在する現代において、それは致し方ないことです。
ただ、それでも私はあえて言います。
これぞ「神アニメだ」と。