ラクロス さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
敢えて苦言を書くならば
右も左も分からぬレドが異文化社会に触れ、徐々に人間性を獲得していく成長を描いたものとすれば、まずまず良かった。価値観の衝突も見られたし、尺を考慮すれば悪くはなかったのだが、絶対的に物足りない。
人類銀河同盟はヒディアーズを敵視することにより徹底した管理社会を構築し、人類の安定的発展を目指したようだが、これは相当陳腐な設定だった。幸福の在り方や人間の主体性を問うもので、それについては前作のサイコパスとほぼ同様であると思う。
そこまでは良いのだが、極左的なカルト教団まがいの異常性に幻滅させられ、それを正当化する「神」の主張もより稚拙だった。その極端にバランスを欠いた構図は、レド自身の主体性を逆に見えづらくしているのは明らかだった。
客観的に見ても正解とも間違いとも言えない、その中で悩み抜いたすえの自分なりの選択こそ価値があるのではないだろうか。物語に誘導された優等生のぺらぺらの模範解答等より、もっと彼らなりの答え、決断、主体性、その過程を丁寧に見せて欲しかった。