ハト さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメらしいアニメーション作品。
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞作品。日本のメディア芸術100選。
ある日とつぜん神様になってしまった中学2年生のゆりえと
その友達や家族、舞台の尾道の人々、そしてこの世に偏在する万物の神様たちが織り成す少し不思議で暖かい日常を描く作品です。
ここで言う神様というのは、「八百万の神」であり、万物の様々な物には神様が偏在するという日本古来より根強い信仰があるアミニズムの神様になります。
素晴らしい部分は他の方が書かれている通り沢山あるのですが、あえて1つに絞って書かせていただきます。
自分がこの作品の素晴らしいと思う部分は、「作画芝居」です。
アニメの芝居というと声の芝居に目が良く行くものですが、かみちゅではキャラクターたちが作品で見せる1つ1つの動きが等身大のまだ童心を持った中学生としてリアルに動いてくれます。
例を挙げると
・疲れた時の足の開き方。
・熱い時にスカートの中に風をおくる仕草。
・勢い良く振り向いた時、少し勢い余って振り向きすぎて自然と向きを修正する描写。
・大股で飛び越えて着地するときに、体のバランスを立て直す3ステップ。
・アップの場面でキャラが喋る口の動きと、それと連動する顎の輪郭線の動き。
などです。
昨今によくあるアニメ的デフォルメをされて、媚びた演技みたいな動きではない子供らしい中学生の動きをし、その場面をアニメとして視聴者に見られているという感じがなく、あたかもリアルにそこで生活している人の自然な仕草に見えるのです。
細田守が仰る、"現実世界に溢れている何気ない行動や言動をアニメの世界でアニメーションとして再構築された時に感じれる純アニメ的快感"を存分に感じれて見ているだけ気持ち良くなるんです。
かみちゅは日常を描く作品ですので、このような作画芝居から見てもとても優れている作品だと思っております。