「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
6810
棚に入れた
30726
ランキング
81
★★★★★ 4.1 (6810)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.3

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北山アキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

純然たる自己犠牲ではないよね?

アニメ始まってから今まで、原作は3,4,6,7巻を読んだ。
これから見る人へのアドバイスは、先入観とかカテゴライズに陥らないで見たほうがいいです。

特に「自己犠牲」というレッテル張りする輩が(Amasonにある原作の感想でも)多すぎることに違和感がある。それを意識して見ないほうがいいです。

固定観念とは別の視点からアプローチしようともがき続ける主人公を「自己犠牲」と一面的に類型化して美化するのは、ヒッキー的にポイント低いのではないかと思う。
そういう理解した気になる行為をこの主人公は鋳型にはめ込む行為として嫌悪するだろう。

他者の理解を得るということは、他者に自分の内面を覗き見られることでもある。
自己否定的な人間にとっては、それは恥ずかしいことで、避けたいことだ。
あえて他人の理解しがたい言動により、内面を隠し自己防衛を図るという生存戦略。そして、その戦略は徹底していて、自分自身に対しても採用されている。
他者に対し、自分自身に対し、距離感をつくることで、自分を守っている。

問題解決・解釈の方法論が「自己犠牲」に見えても、それは「自己防衛」を放棄せずに望む結果・解決を得ようとした結果であって、決して捨て身だとは言い切れない。
「意地でも他人に分かりやすい方法なんか採用しない」
というのを矜持のように理論武装してみたところで、それは一方で自分の間合いに踏み込まれるのが怖いという臆病さの発露でもある。それについては本人も自覚もしている。

かといって、他者からの理解と共感から隔絶して自己を保てるほど強い(あるいは突き抜けた)人間でもない。それも自覚している。

この主人公に共感するひとはその繊細さ、複雑さ、凡庸さに共感していると思う。
だから、一人のキャラクターや物語を一語に単純化して表現している感想からの先入観を持ってこの物語を見るのはおススメしない。

項目ごとに星の評価をしたら3.6になった。
けど、僕の気持ちでは4.0です。

投稿 : 2013/07/04
閲覧 : 315
サンキュー:

9

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