鷺ノ宮朔太郎 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
考えさせられるアニメ
この作品を初めて見てから、もう四年です。久しぶりに見直しました。やはり、良い作品だと思います。
サイエンス・フィクションに、宗教的、魔術的な要素を加えた作品です。戦争のような大きな問題を扱いながら、暗喩的に差別問題などにも触れていく、いろいろな意味で社会派の作品でもあります。宮崎駿アニメの影響下にある作品なので、当然と言えば、当然ですが。
最終話には、困難を乗り越えて、なお力強く生きていくことのできる、ひとりひとりの人間の強さを感じました。一方で、戦争やらなんやらのなかで、人々が必死になってやってきたいろいろなことが、時代の流れので風化していく、儚さというか、切なさのようなものも、同時に最終話で感じました。
アキユキ、ハル、ナキアミ、それから伊舟なんかもそうですが、様々な登場人物たちの思いや行動を見ながら、私は、自分としていきること、それよりも前に、そもそも自分とは何か、そういうことを真面目に考えていく機会を得ました。
悲惨で、残酷な場面もありますが、そういった設定や展開も含めて、この作品の全体が、強いメッセージになっているように思います。
それは、見る人によって、見る状況によって、いろいろな解釈ができる作品。それだけの強さを持った作品だと思います。
自分とは何か。何をするのか。何をすべきなのか。
自分の思いを、捨てず、保って、伝えるべき誰かにしっかりと伝えること、その力。私は、そうしたことの重みを、この作品に教えられたような気がします。
厨二病なので、厨二病っぽい感想になりました……。