ワタ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
比企谷と葉山の絡みが良い(意味深)
「奉仕部」に所属する捻くれ者主人公が、何だかんだでヒロインとラブコメったり
受ける相談に対して、ぼっち特有の斜め下を行く解決策を提示し、問題を解消していく物語。
予想以上に面白かった。
共感できるかはさておき、モノローグ等を通して主人公の心理が丁寧に描かれている。
原作未読だけど、これは読んでみたい。カットされた箇所も結構あるみたいなので。
思わずクスっとしてしまうブラックユーモア溢れる会話劇も楽しい。
いかにもラノベっぽい言い回しやネットスラングの多用も目立つが
この主人公ならあまり不自然な感じはしないし
会話の中でサラッと流す感じなので、割と抵抗なく受け入れられる。
入学式の日の交通事故を起点とした、主人公と2人のヒロインによるドラマも見応えアリ。
前半部の締めで結衣、後半部の締めで雪乃との関係性がリスタートするシナリオ構成で
よく練られていると思うし、これを本作の主軸として見れば綺麗にまとまっている。
個人的に一番興味深かったのは主人公(比企谷)と葉山の対比。
葉山は比企谷とは真逆の存在で、スクールカースト最上位に位置するイケメンリア充キャラ。
当初葉山は典型的なリア充ざまぁwされる存在として描かれるものだと思ってたのだけれど
比企谷は葉山の問題解決法が(一般的には)正しいと認めているわけで
安易な二元論にしないところが、作品に深みを与えている。
葉山が比企谷の自己犠牲的解決法にブチ切れる12話屋上のシーンが印象的。
自分にはないものを持っている比企谷に対する嫉妬や憧れ、
そんな比企谷のやり方を理解しつつも、どこまでも相容れない存在であるというやるせなさ。
そんな葉山の複雑な心境が見て取れた。
この両者の対比は何気に本作の核心部分だと思うので、今後もじっくり丁寧に描いて貰いたい。
で、これがメインキャラとサブキャラの差なのか、終盤の相模の扱いは相当雑に感じた。
相模をあからさまな悪役に仕立て、本性を暴き、視聴者の溜飲を下げる・・・
何というか、ヒッキーかっけー的な要素はあってもいいんだけど
あまりそういう方向性に走って欲しくはない。それじゃ普通のラノベと変わらないので。
目的はどうあれ、相模が誰もやりたがらない実行委員役を買って出たという事実は
もっと評価されるべきだと思うんだよなあ・・・甘いですかね。
というわけで、不満な点もあるけれど
ラノベにありがちな要素を含みつつ、リアルな心理面に踏み込んだ内容で非常に楽しめた。
原作購入決定ですね。ゲーム版も戸塚キュンルートがあるようなので買おうと思います。