シェリー さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
高度資本主義社会に囚われた人間の悲劇のショートショート
世界観は
世界に突如出現した「ゲート」
そこは最先端の科学も及ばない物質で満たされ容易には近づけない
そしてその影響か、ごく少数の人間に変化をもたらし
”契約者””ドール”と呼称される者たちが現れることとなった。
こんな感じですかね。
この作品で鍵を握るのはもちろん契約者とドールたち。
”契約者”っていうのは簡単にいえばある特殊能力が使える代わりに
その「対価」を支払わなければならない人たちのこと。
正確な表現をするならば支払われずにはいられなくなる状態に陥るといった具合でしょうか。
マズロー的に言えば「対価」の支払いが第一次欲求になるといったところでしょうか。笑
でもそれは”契約者”達の思想にそぐわないんです。
彼らは”契約者”になると同時に純粋合理主義へとスイッチを切り替えます。
それは唐突で、誰も予期せず、望むものでもありません。
合理性に重きを置くようになった彼らは、不思議なことに力を使った後
石を並べたり、指の骨を折ったり、タバコを口に詰め込んだり
僕たちから見ても意味不明な行動を積極的にとるようになります。
”ドール”は少し違く感情も意志もない。
「対価」が不必要な力、「観測霊」という霊体を飛ばすことができるという能力を共通して持つ。
あまり詳しくは書いていませんが上記のことが頭に入っていると混乱しないと思います。
どんな人が出てくるとかも初見で知ってみていく方が楽しい。
この作品はそんな彼らが織り成す悲劇的要素を含んだ物語です。
話は2話完結の構成で少しずつラストに向かっていきます。
僕は作品の大きな物語より、細切れの2話ずつのショートストーリーを観ることに集中した方が面白いと思います。
大きな流れはさして重要ではないし、むしろどうでもよくて(どうでもはよくないけど)
それよりも毎回に起こる出来事に登場人物たちがどう対処し、何を感じるのかということの方ががよく描けていると思います。
{netabare}
結局、なんだったのでしょうね。
ゲートの説明もなかったし、よくわからない。
こういうのはエヴァがよくない影響ですね。
わからなく、わからなく作っていく。
脇役たちもかなりいい味出していたと思います。
インもかわいかったですし、マオもホアンもヘイのことを分かっていていいチームでしたね。
警察や探偵のあいつらも結構好きでした。
裏の世界を描く上で普段の我々の日常生活に近い部分の描写は大事ですよね。
そういう意味でも彼らの存在はよかったのではないかと思います。
ただ肝心の裏社会の方はいまいちだったかなー。
『HUNTER×HUNTER』の旅団と比較してしまうのもありますが
もっとブラックな要素が欲しかったかな。
{/netabare}