てけ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ギャグ、ストーリー、テーマ性のバランスがいいアニメ
原作未読。
大会社のボンボン、市ノ宮行(いちのみや こう)。
彼は、ふとしたきっかけで、荒川の河川敷に済む、自称金星人の「ニノ」という女性に、命を助けられる。
「他人に借りを作るべからず」という絶対的家訓のもと育ってきたコウは、ニノに恩を返さざるを得なくなるが、その内容は「私に恋をさせて欲しい」というものだった。
願いをかなえるべく、河川敷に滞在することになったコウ。
その後、彼はカッパ姿の村長から「リクルート」と名付けられ、河原に住む型破りな人々と、奇妙な生活をおくることになる。
設定が風変わりだけど、ストーリーはしっかり進行していくギャグアニメ。
コント集のように短く区切られていて、第○話と表示されます。
最終話には100話を超えていますね。
ユニークなキャラクターたちの行動が目立ちます。
どう見ても人間なカッパ村長や、星型のかぶりものをした男、鉄仮面を被り、秘密機関から追われているという子どもたち、その他、突拍子もない設定の人々がたくさん集まっています。
ギャグアニメとはいいましたが、私は1話に数回クスッとしたくらい。
それよりも、毎話のように飛び出してくる、心に響く言葉が印象に残りました。
例えば(ネタバレは軽いです)、
{netabare}
「こんなに星が大きいので、人との距離の測り方が分からない」
「常識なんて、マヒするのはあっという間、ということです」
{/netabare}
こんな言葉がたくさんでてきます。
特にニノのセリフはシビレますねー、素晴らしい名言をはいていきます。
{netabare}
「この星では、欲しいものがあると、人を助けるのか?」
「恋人の幸せが、お前の幸せ」
「働いて楽しいのがいけないことなのか?」
「それぞれ興味のないことでは教わる気が起きない」→「じゃ、なぜ教わりに来てるのか」→「恋人のお前に興味があるから」
{/netabare}
テーマは「人との距離感」。
どこまで踏み込むべきか、どこで踏みとどまるべきか、常に選択を迫られます。
恋人との距離、父親との距離、河川敷の仲間たちとの距離。
過去を語らない人もいれば、自分から話してくる人もいる。
パーソナルスペースの違いがはっきり現れていました。
勢い任せのギャグが多かったので、爆笑とまではいきませんでしたが、量を考えると、ギャグ、ストーリー、テーマ性、どれもバランスが良く、見やすい作品だと思います。