catcher さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2013春のダークホース
原作既読。
前期の『琴○さん』に引き続きノーマークだった。自分の先見の明の無さが笑えるw
『こういう長いタイトルの作品はもういいよ』という感覚で敬遠してしまうのは実に惜しい作品である。
タイトルやPVなどを見るとありふれたお約束ラブコメアニメが連想できる。
①主人公は特徴の無い無気力系の少年
②ひょんな事から美少女たちと関わってリア充科。
③最終的にほんの少し成長した姿を描いて大団円。
こういった作風がいまどきの学園アニメには多い。
本作の舞台は平凡な学園であり、学園アニメには間違いない。しかし、先の展開が全く予測できなかった点について非常に魅力的であり、キャラも今までに無い魅力を持っている。
{netabare} ①主人公について
良くも悪くも本作を印象付けているのが比企谷八幡だろう。これまでの経験から数多くのトラウマを抱えており、極端に後ろ向きな考え方を披露する。
彼の一人称形式で進む作品だが、他者への分析やものの考え方は高校生のそれではない。大人が社会に出て身につける『諦め』というスキルを身につけている。
国語学年3位と知識量は豊富であり、常に一人で人間観察を行っているため洞察力もある。頭の回転も速く非常に能力の高い人間である。
しかし、既に『諦め』を身につけている彼は自身の心を軽視しがちである。そのため彼の自虐的行為には胸を痛めるキャラもおり、視聴者にも痛々しく写ることがあるように思える。
1クール通して彼は成長しない。他者と向き合おうとしない彼のスタイルの表れだろう。
②周囲の美少女キャラについて
・雪ノ下雪乃~おそらくはメインヒロイン。完璧美人であるため、女子生徒からは常に嫉妬の対象とされ、友達と呼べる存在が誰もいなかった。こうした経緯から、他人対しに壁を作っている。八幡との違いとして、彼女は諦めずに周囲を変えようと努力し続けている。八幡の考え方を好いてはいないものの少しずつ理解している節はある。
他人との関わりを経てしっかりと成長・変化を描かれている存在である。
・由比ヶ浜結衣~八幡と雪乃の両ボッチに大きな影響を与えるヒロイン。特に雪乃に与えた影響はとても大きく、彼女の心を開いていく。雪乃の成長・変化は結局のところ結衣のまっすぐな関わり方があってこそだろう。
八幡に好意を寄せているが、当の八幡の警戒心が強すぎるため、中々気持ちを素直に表現できていない。
③作品として
奉仕部として生徒からの依頼を受ける彼等だが、八幡の考え出す解決方法に毎回期待して観ることが出来た。見ていて痛々しいのは否めないが、それによる痛みをしっかりと受け止めている八幡は魅力的に写った。
声優もバッチリ。特に八幡ははまり役すぎる。
作画は中の上といったところ。
音楽は作品に合っていたと思う。
原作は続いているので是非とも2期をやって頂きたい。
最初は同じ『ぼっち』でありながら目の前で変わっていく雪乃とまっすぐに感情をぶつけてくる結衣の2人と過ごしながら八幡に変化があるのか、非常に見てみたい内容である。{/netabare}