ギータ さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

くだらない！しかし、自分たちも友達とくだらないやり取りをして過ごしてきたと思いませんか？

Ｑ１．ゆゆ式とはどんなアニメですか？
Ａ．約２０分間３人の女子高生がくだらないやり取りをし続けるアニメです。

Ｑ２．それを見ていて面白いですか？
Ａ．面白いです。

Ｑ３．このアニメは他のアニメで例えるとどんな感じですか？
Ａ．「けいおん！からけいおんと行事を取り除いたようなアニメ」
　　「ゆるゆりを京子と結衣のやり取りだけにしたようなアニメ」
　　「生徒会の一存からパロネタと杉崎を排除したようなアニメ」

大雑把な紹介をするとこんな感じです（笑）


なぜ、くだらないやり取りしかしていないのに面白く感じるのか。
これに関しては人によって感じ方が違うかもしれませんが、少なくとも私は面白いと感じたし、実体験からもその理由を推測できます。
その理由は“自分たちも学生の時にくだらないやり取りをして笑っていたから”ではないかなと思っています。

友達と会話を楽しむ時、別に漫才みたいな感じな笑いを誘うようなことはあまりしないし、このアニメのようにくだらない身内ネタで盛り上がっていたように思います。
「くだらねぇｗｗｗ」「意味分かんねぇｗｗｗ」という感じで。


学園物のアニメを作る時は、たとえ日常物であっても行事やイベントを入れることがいわゆる普通の形です。
しかし、このアニメは一切イベントを盛り込んで来ない。ひたすら友達とのくだらない会話だけで成立させています。

実際の学園生活ってのはそういうものなんです。毎日行事ばかりあるわけではない。友達と何気ない時間を過ごすのが大半の時間になると思います。
そういう意味ではこのアニメは真の日常アニメと呼べるのではないかなと思いました。


このアニメが終わる時、いつも以上に寂しさを感じました。
学校を卒業する時、部活を引退する時に一番寂しい、悲しいと思う理由は、今まで普通に過ごしてきたいわゆる日常を過ごせなくなる、終わってしまうというところです。
何気ない時間にずっとスポットを当ててきたアニメということもあり、自分の過去を思い出したわけではありませんが、無意識的にそういう体験とリンクし、寂しい気持ちが湧いたと思います。（さすがに深読みしすぎかも笑）
このアニメの３人の日常をもっとずっと見ていたかった、そう思うと寂しくて仕方ありませんでした。

６月２８日追記：終わりのＢＧＭについて
ＥＤ前に毎回流れるＢＧＭ（終わりのＢＧＭ）がありますが、これが寂しさを助長させてるのは間違いないですよね。
何かしら物事が終わりを迎えるときに実感が湧かない事って結構多いです。アニメが終わる時、学校を卒業する時、部活で最後の試合に負けて引退が決まった時など、終わったけど明日も普通に続くんじゃね？と思ってしまう時があります。
このＢＧＭが流れる＝終わるという構図が続いた結果、最終回で流れる＝このアニメが終わるという実感を湧かせたと思います。



１つのものに徹底した構成の可能性を見出した作品でした。
稀に見る豊作期である今期アニメの中でも遜色ない素晴らしい作品だったなと思います。

また３人の日常が見れる日を待ち望んで、結びにしたいと思います。