gkc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
極端に怖かったです!
1960年代後半位の作品だったような気がします。
1970年代の半ばに再放送を初めて見ました。
オープニングがナレーションの良さも相まって、それはそれは恐ろしかったです。
小学生にもなっていない頃の子供には強烈でした。
今、見てもすごい独特の恐怖感があると思います。
主人公たちは、ベム・ベラ・ベロと言いまして、半分人間、半分妖怪です。
しばしば「人間になれなかった妖怪人間」「その醜い体の中には正義の血が隠されているのだ」
とか表現されてましたが、いちいちそれがかっこいいです。
怖いんですけど。
今思いますと、すごくいい作品です。
人間に憧れているにも関わらず、人間になれなかった妖怪人間という切なく、悲しい境遇であり、しかし、善行を重ねていれば、いつか人間になれる・・・
と、かたくなにそう信じて、人間を悪から守って戦い続けるんですね。
すごく純粋で、ひたむきなんです。
妖怪人間という間柄には、「親子」という関係は無いようなんですが、ベムが父、ベラが母、ベロが子という印象です。
で、悪を倒したその話、その話の終わりに、父の様な存在のベムが、時には母役の様なベラが、子のような立場のベロに
悪を退治して、事を振り返り、まるで家族会議の様に、我々は妖怪人間ではあるが、こんな悪になってはいけない。
と、道徳的な話をします。そして、舞台になった町を人知れず去っていきます。
すごく深みのある、ニヒルな正義の面々なんです。
1960年代の作品ですので背景なんかや、車なんかも当時の雰囲気です。
スーツ姿の男性はスリムでモッズ調でかっこいいです。
どこの国という事はなさそうでしたが、外国を意識した町や村という設定だと思います。
音楽もジャズ調でお洒落です。
すごく独自の雰囲気がある作品でした。
いつか機会があれば見たい作品の一つです。