「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG(TVアニメ動画)」

総合得点
90.4
感想・評価
2334
棚に入れた
12410
ランキング
53
★★★★★ 4.3 (2334)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.3
音楽
4.3
キャラ
4.4

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ネタバレ

ツキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

手のひらを太陽に

個別の11人を軸に笑い男事件より明確に描かれるスタンドアローンコンプレックス。内容としては外交問題を起点としているので更に理解しにくい部分がありますが大筋のストーリーの把握に努めればほぼ問題ないかと思います。

相変わらずの作り込まれまくった世界観や絶妙なストーリー展開、公安9課メンバーの単話の完成度など全編においてほとんど隙のない本作GIGですが、個人的には一期の方が好きでした。
その要因…と言うほど大したものじゃないですが、個別の11人で描かれる人間性とそれ以外の人間にまつわる定義、所謂ゴーストに関する相違が少し目立った印象でした。

ぱっと見人間と区別がつかないものの一目で人工物と分かる人型アンドロイド、明らかに機械的な風貌でありながらより人間的な言動を見せるタチコマ。相対的な両者の存在によって、特に一期では機械丸出しのくせに人間顔負けの哲学的な討論を見せる姿や、独自の判断でバトーのもとに向かう行動などは彼等にゴーストの存在を認めたくなるような人間性を垣間見れます。その点においては本作でも変わりなく見て取れるんですが、それ以上に{netabare}合田やクゼの行動が良い意味で非常に人間臭い。

合田の反中国感情の印象操作は政治外交を土台に人間の腹黒さを感じさせるし、英雄のプロデュースに関しては好奇心や自己顕示欲といったもっと分かり易い人間性を感じました。ウィルスの発症因子に義体化以前に童貞であることを盛り込むのは自身の自虐や疎外感を印象づけます。そもそも童貞どうこうを気にする生物は人間だけであり、SEXという生殖行為は人間以前に生物である絶対条件が必要なのでいくら思考を働かせようともタチコマには踏み込めない絶対領域。
深く探ればアンドロイドの中にはダッチワイフ機能のついたアンドロイドもいるかもしれませんがそれは生殖目的ではなく快楽目的となってくるのでここでは別のお話。
クゼの一連の行動に関してはもっと純粋で感情的な信念、一種の本能を感じさせます。それが結果として9課を翻弄したり合田の思惑とは違う動きを見せていますね。{/netabare}

タチコマ達がいくら人間的な思考や言動を見せても彼等の前ではやはりゴーストを感じにくい。タチコマは存在意義やその定義を意識化に置きすぎているのでそこから生まれる違和感が少し強い。なんていうか、血は通っているけどDNAが通ってないって感じですかね。
本作ではそういった相違に多少目がいってしまったので、すごく人間らしさを感じつつも回を追うごとに彼等が機械であることに妙な説得力を持たせてしまいました。

こうなると最終話の彼等の言動も一期ほどは心に響かない。
「僕らはみんな生きている」
彼等は本当に<生>を受けているのか…天の邪鬼すぎる気もしますが少し疑問に感じてしまいました。

まぁ文字に起こすとすっげー分かりにくいですが口頭だとさらに分かりにくいと思うのでこの程度で勘弁して下さいw

人間の本能的な言動とゴーストの所在の2つが相容れない隔離されたテーマだと感じたのでそのあたりが浮き彫りになった中々取扱いの難しい作品です。でも面白いことに変わりはないのでお勧めです♪

投稿 : 2013/06/19
閲覧 : 292
サンキュー:

22

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