Mir先生 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
電波と宇宙人は盛りだくさん。
2011年に放送された電撃文庫原作の電波系青春アニメ。
デビュー当時から、著者の入間人間は注目を浴びていました。
奇抜なキャラクター造形と、ちょっと癖のある文体で。
原作は2ページしか読んでいないので、ほぼ未読です。
ただこの手の「ズレすぎ系女子」は、
ある意味レジェンドである久弥さんと麻枝さんの作った流れだと思うんですけどね。
それがニュージェネレーションミックスされたみたいな印象。
アニメ制作はシャフト。
2000年代を代表するアニメスタジオになったので、今や知らない人はいないでしょう。
このタイトルでは、シャフト流手抜き術は、随所に見られます。
これのすごいところは、一見して手抜きに見えないところにある。
例えば、
キャラクターの動きは長くても10秒以内にする。
キャラクターの動きは、ループ可能にする。
カメラを引いてのアニメーションは大変なので、5秒ごとにキャラをアップにする。
小道具の動きは、そもそもアニメーションじゃなくCG処理。
こういうズル……もとい手法で、1話ごとの動画枚数を減らし、
作画のクオリティを徹底管理している。
これは別に批判じゃなく、手法を確立させたと考えると偉業です。
もし手元にDVDや映像があるなら、確認してみて欲しいですね。
枚数描いてアニメーションさせているところの少なさが分かると思います。
これが新房監督の手法なのか、シャフトの傾向なのかは分からない。
新房監督は、動かすときは結構動かしている印象があるので。
このタイトルは演出こそ少し弱い気もするが、
作画は、挿絵のブリキさんの描くキャラクターの可愛さが余すところなく発揮されており、
ブリキさんの絵が好きな方には、ご褒美と言えるレベルのタイトルだと思います。
キャラを動かしたときの可愛さは京アニに負けるが、
キャラをアップにしたときの精巧さ、鮮明さは、シャフトに軍配が上がる。
お話の方は、
13話構成だったが東日本大震災の影響で最終話が放送出来なかったという、
近年では珍しいアクシデントに見舞われたタイトルです。
結局、視聴者は12話放映から8ヶ月も待たなくては最終話が見られないという事態になった。
13話でちょっとしたオチがあるので、
それを見られないというのは尻切れトンボ状態でした。
しかし脚本はちょっと全体的に甘い感じがしますね。
会話劇主流な流れは、脚本の綾奈ゆにこさんは比較的得意であるはず。
もう少し、13話通してのテンションのバランスを取って欲しかった気がします。
辛口評価をするなら、
原作が好きなら、別に見なくてもいい。
原作を知らないのなら、別に見なくてもいい。
ただシャフト作品が好きなら、見ておいてハズレはない。
そんな位置付けです。