ペッチー さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
まさに映画版SAC
以前、2ndGIGのレビューで
SACでは神山健二が個と社会の関係性を社会の側から描き
2ndGIGは押井守とともに個と社会の関係性を個の側から描きなおした作品
と書いた。
その流れで行くとSSSは
社会(システム)の中での個のポテンシャルを考える作品、といった感じ。
組織論、少子高齢化、虐待などいろいろなテーマがちりばめられている作品ではあるが、私はどれもサブテーマであって作品の核心ではないと思った。最も注目したいのはむしろ、各事件、各問題に対して「個のポテンシャル」を最大限発揮していくメンバーたちなのではないか。つまり、「少佐かっけー、トグサかっこいい、バトーやるなぁ、サイトーさんも大活躍…」ということ。9課全体としての動きはむしろ少なく、各キャラが己の力を発揮し、まさに「スタンドプレーから生じるチームワーク」が最大限に発揮されていたのではないかと思う。
そのテーマは最後のトグサのせりふ「願わくば成長した彼らが将来、個のポテンシャルをあげて、我々が出せない答えを出してくれることを祈るばかりだ」につながっていると思う。
もちろん、傀儡廻や、それと少佐の関係というのもなかなか面白いのだがそれが主題かといわれると少し違うと思う。
と、つらつら書いたが、全体的な感想を書けば、非常に良かった。皆大活躍だし、攻殻っぽい雰囲気はむんむん。未来(現在?)につながる物語としての攻殻っていう感じでした。
ちなみに傀儡廻しの正体は、少佐の今までの捜査、ネット浮浪で蓄積された人格データから架空の人格が形成され、それが独り歩きを始めたものなのかな。いわば、素子の人生経験が生み出した第2の素子 的な。
そんなことは置いといても、自殺を決心したときのトグサくんかっこよすぎて惚れた