「ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
2921
棚に入れた
13682
ランキング
80
★★★★☆ 4.0 (2921)
物語
4.3
作画
3.7
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

お子様ランチの旗がもう一本手に入るわ。

同人サークルによるゲームが原作の作品で、「ひぐらしのなく頃に」の2期目です。一応、2期から見る人のために、1話の「サイカイ」や、それに続くアニメオリジナルの「厄醒し編」が用意されているのですが、1期を見ないことのデメリットは計り知れず、ぜひ1期を見てからの視聴を、強く強くお勧めしますです。ただし、1期はある意味かなり敷居が高いので、お覚悟を。と、まるで脅しのようになってしまいましたが、1期の関門を越えて2期を視聴することで得られる価値は非常に大きいので、ぜひとも1期視聴を!!!

さて、上にも書いたのですが1話の「サイカイ」は1期2期の一連の事件の後日談、30年後の話ですので現代、ほぼアニメ放映時期のお話です。大石さんはもうおじいちゃん、当時青年だった赤坂さんもかなりのお歳になっております。あと、竜宮レナもかなりおばさんになっちゃいましたよね、40台後半ですかね。

↓厄醒し編のネタバレです。
{netabare}それに続く「厄醒し編」は、1期の主なお話しと同じく、山間の中学校ののんびりした日常から入ります。この編では、魅音の双子の妹である詩音が、はじめから雛見沢の学校に通っています。そしてこの編は、1期を見ていない人にとっては最低限の情報提供、見た人にとっては復習+αです。

勘のいい人は既に気付いておられたと思いますが、この世界は昭和58年6月を何度も何度も繰り返しているのです。その時間のループには梨花が深くかかわっているのです。さらに、この編には「解」の重要キャラが登場します。ただし声だけですが・・・。この時間軸でも最後はまた雛見沢大災害が。そして、満を持して「解」の核心部へ。{/netabare}

↓皆殺し編のネタバレです。
{netabare}いよいよ「解」の核心部です。「解」というのは「解答編」の「解」ですが、この編以降に限っては「解決編」の「解」ではないかと思います。単なる謎解きではなく「この状況の中で登場人物達がいかにして運命のループを抜けるか」がテーマのように思います。言い換えれば「運命の変え方」ということです。

冒頭、この物語の時間ループのことについて明確な説明があります。ここで初めて、この物語の構成が単に幾つもの無関係な並行世界を描いたものではなく、意図的な時間軸の繰り返しの表現であったことが分かります。そうです。そうなんです。私の大好きなタイムトラベルものだったのですwww

さらにもうひとつ。この編ではじめて最重要キャラであるオヤシロサマ、すなわち羽生が登場します。ただしまだ、梨花以外には見えない存在ですが。ところで、神様がまるで人間のように(しかも幼女)描かれるなんていうのは、いかにも日本的ですね。一神教が信じられている地域、たとえば欧米やイスラム圏とかでは考えられないことではないでしょうか。

登場人物達は「運命の変え方」に気付き、自らの運命を変えるべく、いろんなことをします。真犯人も明らかになり、そしてついに、もう少しのところで雛見沢村の過酷な運命を変えられるところまで来ます。ほんとうにもう少しで・・・。{/netabare}

↓祭囃し編のネタバレです。
{netabare}前編に比べOPが微妙に変化してます。梨花のおいでおいでのあと羽生が駆け寄ってくるようになりました。この編から羽生(オヤシロサマ)は傍観者をやめます。つまり、梨花以外の普通の人にも見える人としての存在に変わります。

トランプ遊びのババ抜きは1枚のババを押し付けあい一人の敗者を決めるゲーム。ジジ抜きは似たようなゲームだが、欠けた1枚が加わると敗者が出ないゲーム。祭囃し編は欠けた1枚、すなわち羽生が加わることにより、敗者が出ないゲームになった・・・。

あれ? でも鷹野三四が敗者だよね、この結末って。・・・その答えはEDの後のシーンにあります。編の冒頭のシーンのリフレイン。このシーンは謎だったのですが、どうやら以下のように解釈すればよいようです。

鷹野三四が幼い頃。三四はデパートの食堂で食べるお子様ランチの旗を集めていました。そして、その旗が20本集まると願い事がかなう、という願掛けをしていました。ある日、友達の家に遊びに行っているとき、両親がデパートへ行きます。その途中に両親の乗っていたバスが事故に会い、身寄りのなくなった三四は孤児院に引き取られて行きます。これが祭囃し編冒頭のお話です。ところが、最終話のED後の世界では、三四が友達の家に行く途中、黒髪の長い大人の女性(外見からも、田村ゆかりさんの声からも、梨花の大人バージョン)に会います。

「あなた。生きたい?死にたい?」大人の女性は問いかけます。お友達の家に行くと、お友達は留守だけどバスの事故に巻き込まれることはない。お友達の家に行くのをやめると両親とデーパートへ行ってお子様ランチの旗が一枚増える。さあどっち? ここで三四は死ぬほうを選びます。三四は両親とバスに乗ってデパートへ。そしてそのバスは事故に・・・。夜、家に帰った三四はもらった旗を海苔の空き缶に入れる。ついに20本たまった。そして願いがかなってバスの事故はなかったことに。

多少つじつまが合わないけど、そうとしか解釈できませんよね。これで敗者の出ないゲームが完成した、ということですね。

現実には、すべてが揃って敗者が出ないことはないのですが、祭囃し編は、これまで何度も何度も過酷な経験を繰り返してきた登場人物達へのご褒美と言えるのではないでしょうか。そして、視聴者へもご褒美。たまには「すべてがうまく行く」世界を見たいですからね。たとえアニメでも。{/netabare}

全50話、最後まで視聴しましたら・・・もう一度1期の最初から見返してみませんか? 初見で気付かなかった、あんなこと、こんなことに気付いて、おもしろさ3倍増ですよ。あちこちに張り巡らされた伏線が見えてきますよ。

投稿 : 2013/06/23
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サンキュー:

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