「∀-ターンエーガンダム(TVアニメ動画)」

総合得点
76.9
感想・評価
495
棚に入れた
2573
ランキング
661
★★★★☆ 4.0 (495)
物語
4.1
作画
3.8
声優
3.9
音楽
4.1
キャラ
4.0

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ネタバレ

あいすまん.第一形態 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:----

大きいのにブサイクなガンダムちゃん

月から来た少年ロランが山の中から
おヒゲの付いたガンダムを見つけることで物語は始まります。

ガンダムの生みの親、富野氏が
自ら手がけたガンダムシリーズ最後のお話。
「これまでもこれからもシリーズ最強のガンダム」
∀(ターンエー)ガンダムは今までの、そしてこれから生まれるすべての
ガンダムを肯定するために生まれました。

有名な話ですがこのお爺ちゃんはかつて
ガンダムシリーズをこれでもかというくらい憎んでいました。
A以外は作るのがホントに嫌だったと、
1年戦争以降の戦争は、作れと言われて無理やり作らされたと
ファンにとっては耳をふさぎたくなるような発言が多かった。

そんな彼を変えたのがあのGガンダムです。
今までのガンダムの概念をぶち壊すという目的を掲げ、
「ガンダムにプロレスさせよう」と今川監督に託した作品。
富野氏はこの作品がいたくお気に入りなようで、
息子に厳しかった頑固親父も
孫が生まれた途端もうデレデレなわけです。

憎さ余って可愛さ百倍、
白富野とまで呼ばれるほど、希望に満ちた作品。
そのせいか∀ガンダムは何度でも見たくなるんです。

ただガンダムの見所でもある、モビルスーツ同士の戦闘やライバルとの因縁、
仲間との死別、主人公の無双などはめっきり減っていて、
そういう意味ではファンへのサービスに欠けるかもしれません。
特に17話前後は何を目的に戦っているのかが少し曖昧で、
この辺で昔自分は視聴を断念したことがあります。

前置きが長かったので本作品の見どころをちょちょいと

・キャラクター
モビルスーツが少ない反面、登場人物はなかなか多い。
利口で賢いキャラが少なく、もうみんなお馬鹿で小ズルい!
主人公ロランがシリーズ中屈指のお利口主人公なだけに
もうみんな好き勝手してくれます。
また富野節と言われる迷言語録が異常に多いのも魅力

・BGM
菅野よう子氏の手がけた曲の数々
ふとした日常の一コマや他愛ない会話まで心に残る名シーンへと昇華してくれます
「軍靴の記憶」と「ボーキサイト」がお気に入りです。
黒い噂はとりあえず置いときましょう

・技術と戦術とのギャップ
地球の軍隊は掘り起こした強力な兵器は持ちつつも
もともと産業革命以前の知識しか持っていない彼らには過ぎたおもちゃ
また月の民は技術力や知識はあるものの、
彼らもまた数千年の間、戦いの歴史から遠のいた種族。
ときには戦争ごっこのように見えるユニークな戦いでも、彼らはいたって真剣だから面白い
よく見れば細やかな動作や駆け引きまで手が込んでいて、これはセル画の強みかもしれませんね

・モビルスーツに対する意識
もともとモビルスーツは戦争のために生まれた兵器でした。
しかし黒歴史が忘れ去られた中で、掘り出されたそれらは
世界の人々にとって「道具」という認識が強いです。
ロランがガンダムで牛を追いかけたり、手の上で仲間を治療したり、
乾燥機能つき洗濯機として活躍させたり、
彼がガンダムを「道具」として扱う話はどれも印象深い。

・日常回
先も述べたように、長い歳月で戦争を忘れていた彼ら。
戦争自体よりも突然降ってきた脅威に晒されながらも、
懸命に生きていく彼ら自身の魅力が大きいです。
8話「ローラの牛」10話「墓参り」20話「アニス・パワー」あたりは
ファンの間でも人気が高いです。

・ガンダムシリーズの知識が不要
彼ら自体に知識が無いので、過去の大戦や軍事技術などが分からなくても楽しく見られます。
ただザクやカプールが掘り起こされたりと
オマージュ要素もあるのでそこでニヤッと出来ればもっと良い。

∀という記号には「全てを含む」「1に戻す」という意味が込められています。
全ての終着点を定めたことで今後どんな作品でも生めるように。
どんなガンダムでも「ファーストから最新のまでまとめて∀で無に返してあげるから^^」
「これまでもこれからもシリーズ最強のガンダム」にはそうゆう意味が込められているのでは無いでしょうか。

投稿 : 2013/06/17
閲覧 : 1298
サンキュー:

15

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