namnam さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

P.A.WORKSからお届けする、綺麗で冷たいサイコサスペンス。「人が死ぬ」シーンの凝った演出には美しささえ覚えます。

（現実味があるひぐらしよりも、こちらはどちらかというと七不思議なホラー寄り）

■見る順番を間違えたかもしれない。
京アニの「中二病でも恋がしたい」をがっつり楽しんでから、この美しい作品に手を出してしまった。
鳴ちゃん（見崎鳴）は天使のようにかわいいがあの「死者の色を見分ける」という左目が、「蛇王心眼」にしか見えなかったのが辛すぎた。

序盤　　：読者・視聴者も死に引き込まれるのではないかという恐怖
中盤以降：萌キャラ（少し風変わりだが等身大の女の子）



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■抑揚
ストーリー展開は、死人が出る割には感情の起伏はあまり激しくなくやや単調で、序盤はなかなか入り込めずにいたかな正直。

登場人物の感情やそれぞれが「恐怖」や「トラウマ」を抱いた背景があまり表現されてなかったせいか、なかなか感情移入しずらかったような気が。
言い方を変えると、「いち視聴者としてしか見れなかった」
（２次元最大の魅力である、その世界のひとりの住人・登場人物としてまで入り込んでみることが出来なかったのが残念）




それでもこれだけの量を3話からノンストップで見続けられたということは、それなりに惹きつけられたものがあったに違いない。

中盤から終盤にかけて伸びる作品ですなこれ。


■あと「人が死ぬ」シーンも見せ方にかなり凝っているのが分かった。
（特に最初の傘とエレベーターの演出は拍手喝采の出来！）

「エレベーターのワイヤーが切れて、そのまま落下、そして中にいた人が死ぬ」
といったシーンはドラマ・映画などでかなり見てきたが、

1. どのような力がどの部位に掛かって
2. それがどのように死に至るような致命傷を引き起こすのか
3. そして、その瞬間の人間の反射的な表情
（あの状態では「表情」というよりかは、「神経反射が引き起こした眼球の動き」のほうが正しいかもしれない）


こういったシーンを、ただダイナミックに表現するのではなく、繊細に描写した所には脱帽でした。

そのシーンはほんの一瞬だったけれど、その時の映像はなんだか今でも頭に残っている。
（グロイとか気持ち悪いとかではなく、「印象的」といった意味で）



そんな新たな発見が出来た作品でした。