coldikaros さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
批判も沸いただろう
これが普通に放送されていたころは全く存在を知らなかったんですが、これは批判も沸いたでしょうね。
間違いなくいい作品だとは思います。しかし、かなり理想を描いているところがあるので見る人によってはあまりいい気持ちはしないでしょう。
人間関係はそれなりに複雑ではありますが、自分への理解者や自分との類似者が特殊な環境ではないにも関わらずあまりにも多すぎること、これらが物語をかなり柔和にさせ、危機感や背徳感を感じさせることがかなり少なくなっています。
たしかに、理想はこうあって欲しいですね。まわりの抵抗もこの程度であって欲しいですね。原作者の願望が伝わってきます。
この問題は本当に難しいです。自分のように捻くれた人間はこういう感情があるということを知ってはいるし、学んでもきたものの、それでも受け入れられません。
そんな人は世の中に五万といるはずです。
しかし、認めなければならない。その必要があります。
これは本当に難しい。個性というものは他人には到底受け入れられないものもあります。
また、昔どこかの誰かさんが言ったように「女のような男、男のような女が氾濫するようになったとき国家は破綻する。」というのも、おそらく真実のひとつでしょう。
国家が人で形成される以上、この個性に関わる問題は、おそらくどこでも腫れ物扱いで、慎重に取り扱われている問題です。
アメリカなどは自由ではあるものの、偏見がないわけではないです。
そんな問題を真面目に取り扱ったこの作品の存在はそれだけで素晴らしいものがあります。
映画などではそれなりに取り扱われてきたテーマですが、自分が知らないだけかもしれませんが、ついにこういう大衆がみる枠のアニメで扱ったというのは、アニメというコンテンツ自体の大きな進歩だと思います。
ただの娯楽にならそんな要素はいらない訳ですから、何かを伝えるものとしての発展は賛美されるべきことだと自分は考えます。
まぁ行きすぎるとプロパガンダのようになってしまう訳ですが。
とにかく驚きました。こんな真面目に取り組んだ作品だとは^^;
作品としても面白いので、強い嫌悪感を抱く人以外にはおすすめできると思います。