Jonez さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
トゥットウルー地獄から本編が始まる
タイムマシンというSFガジェットありきでまわるストーリーでありながら
ロボットなどの飛び道具系の小道具一切なしで
人間模様やストーリーで勝負して、ばっちり形にした作品。
序盤は、主人公岡部のあまりに痛寒いキャラクターや、
発明品を使ってだらだら遊んでいる
ドラえもんみたいなゆるいストーリーが苦痛で、
正直若干キツかった。
しかし、まゆりがエンドレスでトゥットゥルー食らうループに入ってから、
一気にストーリーがシリアスな重みを増す。
序盤の遊び時間は、この展開の衝撃度を演出するための
前振りだったのではないかとすら思えるくらい、
いっぺんに雰囲気は地獄の底まで落とされるが、
そこから見応えが数倍増。
だらだら遊びの中でぶちまかれた複線も
話中においてきっちり回収されていくのは秀逸で、
あのだらだらした内容も決して捨てていたわけではなく、
モワッド・スネークにすら見せ場が用意されてるあたりは、
「いいセンスだ」と感心する。
ストーリーを通して、地獄の連続の中、中身の無い奴だった岡部が
男として成長していく姿が何より印象的で、
序盤「寒いからそれやめてくれ」と思っていた「鳳凰院凶真」のキャラですらも
最後の方では希望の象徴のような存在になってしまったのが驚き。
見てまったく損の無いよくできたストーリーですが、
トゥットゥルー地獄をはじめとして、真剣にへこむ瞬間が
何度もあるので、
気楽に楽しめる作品を欲しているなら、今度見たほうがよいかもしれない。
トゥットゥルー