雷撃隊 さんの感想・評価
4.5
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
プラモデル好きな俺様どストライク
最初はストライクウィッチーズの陸軍版みたいなもんかと思っていたら大間違い。実物の戦車が大活躍。この時点で俺様的ドつぼ。戦車道俺もやりてー、仲間は女の子じゃなくておっさんでもいいから、と思ってしまった。キャタピラやホイールが別パーツで構成されたモデリングデータの戦車がキチガイじみていてすげー。本気でバカをやっている作り手の心意気に敬礼。音楽は白黒時代の戦争映画のBGMを連想させる曲から世界各国の軍歌までこだわりが感じられる。ヨドバシカメラの曲なんかはアメリカ陸軍のマーチなんだぜ。ロシア軍歌のカチューシャは原語で歌われてるのがすげー。ドイツのエリカ行進曲やパンツァーリードとかどこかで聞いたことあるのでは?
「バルジ大作戦」とか「遠すぎた橋」とか「鬼戦車T34」なんかの戦争映画のネタも満載。でも若い人は知ってるのかな?
そんなマニアックなネタ満載のバカアニメだけど基本はゆるやか部活アニメだ。女学生が登校してなんと戦車に乗って射撃訓練して帰りにアイス食べるというとんでもない日常が実に楽しい。吉田玲子氏の脚本によるけいおん!の後継者だ。外見とは裏腹に実に平和でのどかなんですよ。あんな平和に戦車乗り回せられたら楽しそうで羨ましい。
登場車両もこれまた良い感じ。主人公のみぽりんが登場するのがドイツのⅣ号戦車。バランス重視の中核の戦車だ。でも母校の大洗高校の他の車両は良く言えば個性的で悪く言えば癖が強く使い難い。Ⅲ号突撃砲、89式、38T、M3,ルノーB1、ポルシェタイガー、3式、見事にバラバラでカオスな多国籍軍だ。ライバルたちは米、英、独、露をモデルにしたチームで、それぞれの国の主力車両が登場。ドイツのタイガーⅠやソ連のT34-85みたいな有名どころからヤークトパンサーや駆逐戦車ラングやKV2みたいなマイナー車種まで様々だ。各国の車両の魅力を遺憾なく表現している。プラモデル大好きな俺様大満足。ちなみに本作が原因でにわかAFVモデラーが増えたみたいで、プラモデル屋の戦車コーナーが明らかに売れ行きがアップしている。普段山積みのタミヤのMMシリーズが目に見えて減っている。まあ自分も一翼を担っているのだけど。
中断期間もあったけど無事全編見られるようになったので繰り返し見ている。自分が好きな場面は8話の雪上戦でロシア軍歌のカチューシャを合唱するシーンだ。上坂すみれさん演じるノンナさんがお気に入りのキャラだ。上坂さんご本人は上智大学でロシア語を専攻しソ連共産党とドイツ社会党(ナチス)の研究をしていたそうな。まさにご本人がそのままご登場ではないか。
ラストの決勝戦は映画「バルジ大作戦」のオマージュで史実そのままのドイツ戦車の映像に合わせてパンツァーリードが聞けて感無量。映画ではタイガー戦車がパットンだからね。最後の最後まで愛に溢れた演出で素晴らしかった。
映画版の制作も決まったし、今後もまだまだ楽しめそうだ。