lostman6 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「戦車道」に込められたミリオタの愛とこだわり
今まで「女の子と戦車」をテーマにしたアニメは、ありそうで無かったジャンルだったのだが、本作をもって遂に完成したと言える内容だ。
とにかく演出が上手い。登場人物が異様に多い作品だが、キャラクターの特性を表現しつつ12話に収めなければならないという制約の中できっちりと仕事をこなしている。
そして戦車へのこだわりが凄い。これはコンピューターの性能とCG技術の向上によって、ミリオタがずっと夢見てきたことが、ようやく実現できる時代になった証しでもある。本作は、2013年度において日本のアニメ文化が積み上げて来た英知の結晶を代表する作品と言えるだろう。
更に、作中に流れる音楽にも注目して欲しい。本来、戦車は戦争における破壊兵器である。にも関わらず、全編を通してシリアスな雰囲気にならないのは、劇伴(BGM)を徹底的に明るく保っているからだ(軍隊マーチだけど)。これは「ガルパン」の世界を維持する要素として、とても大きな意味を持っている。なぜなら、戦車は怖いものではなく、あくまで「戦車道」というスポーツを行うための道具だからだ。
戦車道は、戦争の愚かさと兵器への憧れの狭間で、誤解を恐れながら活動してきたミリオタ達の救いにもなったのだ。「兵器を怖いものとして描かない」ことに徹しながらも、「戦車を魅力的に描く」ことにこだわった制作者たちに、この分野への愛を感じずにはいられない。
▼きっとこんな人におすすめ
・無骨な戦車がゴリゴリ動く姿を見るのが好きな人
・チームワークで困難を乗り越える王道ストーリーが好きな人
・ウォーシミュレーションゲームが好きな(だった)人