スパ砲 さんの感想・評価
4.0
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
邦画
<まるで邦画のような濃厚な映像センス>
アニメを洋画に例える人がいる。
本当にそうなのか?
アニメは邦画の側面を持っているんじゃないだろうか。
このアニメは、そういう「真理」に気づかせてくれる。
私にとっては、アニメに対する新たなる示唆を与えてくれた、大切な作品だ。
<音楽にほの見える和のムード>
音楽は村松健。
エキゾチック、というよりは、「邦楽」の雰囲気を醸し出している。
「邦楽」とは、お琴とか尺八とかのアレだ。
ロックみたいにやかましくない。
それでいて、作品世界にこの上なくフィットしている。
<音声だけ聞いても、何かが違う>
ためしにテレビアニメを、画面を観ないで音だけ聞いてみなさい。
それで面白ければそのアニメは名作だ。
そういう観点ならば、本作は名作だ。
プレスコに成功しているから、音声だけ聞いても雰囲気が普通のアニメと違うのが感じ取れる。
松尾衡監督の演出の手腕も大きい。
<物語の弱さについて>
ストーリーラインの弱さをときどき指摘される。
でも、アニメは物語と同一じゃない。
アニメを物語と同一視するのは、厳しい言い方をすれば素人の見方。
アニメはもっと複雑な要素が絡み合ってできている。
これは音響アニメであり、演出アニメ。
<アニメでもここまでの作品が作れる>
形式が先か、内容が先か?
創作の永遠の問題だと思う。
これは「形式ありき」の作品。
表現というものに興味があるなら一度は観るべきだと思う。
今度は『レッドガーデン』も観てみたい。