こたろう さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

荒木飛呂彦アニメ劇場

かなり有名なので今更説明も必要ないですが、原作はジャンプの長寿人気シリーズ漫画。
なぜこの時期に？というより、この時期だからこそのアニメ化です。
巷ではジョジョ人気、とりわけ原作者の荒木先生のオシャレで独特な絵が好評を博している様子。絵画展なんかが開かれるぐらいの人気ぶりです。
なので時代の潮流に乗っかった映像化なんですね。商魂逞しいことですな＾＾；


で、このアニメですが、その世相を反映した特殊な作風に仕上がってます。
効果音の書き文字が入っているアニメってギャグ以外にはあまり見たこと無いんですが、本作は大真面目にそれを実現しています。
また、動画としての動きは割りと少なく、止め絵なども多様。背景やキャラの描き方もアニメっぽい繊細な表現や効果はあまり目立たせず、力強い太い線の描き込みやメリハリが付いた色彩で演出する画風です。
（バトルシーンなど動きが激しいときはＣＧも使っていますが）
アニメというより、漫画を映像化したような創り。
もちろん、巷で人気の「ジョジョ立ち」といわれる人物の特殊なポーズなどは完全に再現しています。
原作の雰囲気を最重要視して作られているため、原作未読の方には結構異質に感じるかもしれませんね。
でも、手抜きとか奇抜な演出をやってやろうという訳ではありません。
アニメの常識には反していますが、荒木漫画としては至極真っ当。
こうでなくては荒木ファンは納得しない。よくここまで思い切ってアニメの従来手法を捨てたと感心します。


内容も忠実に原作どうり。
これも今更語る必要もありませんが、逆転に次ぐ逆転がアツイ王道のバトルが繰り広げられます。
キャラの個性も非常に強く、独特な台詞回しも魅力の一つ。
政治的＆倫理的に問題のある一部を除いて、本作では漏らさず原作の名セリフや名言が網羅されています。goodjob！


結局、「ジョジョの奇妙な冒険」という特殊な漫画の再限度をいかに高くするか。
その難関に挑んで、かなりな完成度を得た作品と評価できます。
相当クセのある作品になっていますが、長きにわたり原作を愛してきた者としては全然アリ。
というより、ここまでの拘りで作り上げた事に感激すら覚えます。ありがとー

しかしまぁ、ファンとしては嬉しい限りですが・・・
まったくジョジョを知らない人は、この”アニメ”をどう見るのでしょう？
はてさて・・・