「ef - a tale of memories.エフ・アテールオブメモリーズ(TVアニメ動画)」

総合得点
87.5
感想・評価
2435
棚に入れた
12466
ランキング
152
★★★★☆ 4.0 (2435)
物語
4.1
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
3.9

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ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

好きだけど嫌いと複雑なシャフト × シリアス系恋愛 

今期はシャフト演出が無いので気晴らしに観たがシリアス恋愛には少し癖があった印象。一枚絵の観賞には大変満足しているが、ファンタジー設定がほぼ無いリアリティあるストーリーで引っ張りシャフト演出が拮抗していると感じた。
ストーリーが進むほど演出と反比例しキャラが現実離れしてゆく気持ちで歯がゆい。これについては後に述べる。

残念なシーン{netabare}
①11話千尋が屋上から日記を破り捨てた背景の大きい月。月を幻想的に誇張し背景がキャラを食っている。 寧ろ徹底してシャフト演出するか2人の構図を考えて欲しかった。中途半端すぎる。
②細かいが海辺ではキャラにオーラーが垂れ流しw 心の揺らぎとしてわかるが、くど過ぎる。
③11話屋上シーン。抽象的な愛し合うあざといシーンは、余韻を直ぐにぶち壊す。{/netabare}

秀逸な演出{netabare}
①キャラの心情を唇・羽に加え背景をリンクさせた配色。
②7話みやこの悲痛な電話内容演出。文字表現と加速するBGMの一体感。約3分間を何度も繰り返していたw
③10話みやこと紘の電話BOXが砂時計デザイン、遠目からも時が過ぎている心境が伺える。{/netabare}

【なぜ拮抗したか?】
シリアス恋愛系は世間一般から観ると重い恋愛で少し身構える傾向もあって、ライトな雰囲気作りとしてシャフトの特有のカメラアングル・透明感ある色遣い・綺麗な彩色かつ視覚演出によって意味を持たせる魅力によって調和されると制作の愛情が強すぎた。演出が工夫されていると伝わるが不必要にやりぎた感が否めない。個人的には好きだけど嫌いと複雑な心境で好みが現れる。

【ストーリー】
音羽街を舞台に記憶と夢を掛け合わせ生きる目的を教える2つの恋模様を描く。
別々の主人公・ヒロインと間接的に取り巻く環境下で感情移入は難しく個々で観分ける観賞アニメに近い。
また、オムニバス形式ではなく順不同のAパートBパートで展開されるのが特徴。シンプルな構造だが観る側として気持ちを切り替えモチベーションが下がる。

また、序盤は退屈と想うかもしれないが、キャラ設定・対人関係を見据えるとさほど苦ではないと想う。

【キャラ】
① 新藤 千尋(妹)× 麻生 蓮治
ある事故によって12歳から記憶障害を患い13時間しか記憶保持できない千尋と夢に戸惑う蓮治との出会い。

千尋の夢とは何か?
なぜ記憶を失うと悲しいのか?
 
「この世に奇跡なんて無い。あるのは偶然と必然、そして誰が何をするかだけ」 このキーワードが核心に繋がると同時に2人が描く小説を理解してゆくと引き込まれる。

{netabare}図書館で結末のやり取りを何度も繰り返し「ソレハ カミサマガ イジッテイル カラデスヨ」と錯覚では片付けられない蓮治の拒絶。記憶は忘れても砂の城(形あるモノ)は残る無常さ。
千尋の眠る不安・記憶を反復し刷り込ませ一線を越えた崩壊する姿は何もない日々とずっと同じ毎日へ戻る悲しみ。上を向いていたのは涙がこぼれそうだったからとわかった理由どの部分を観ても感傷的にさせる設定で卑怯ですね。
「わたしにも蓮冶くんを不幸にしない方法があったんです」その後はもう言わずともね; {/netabare}

②広野 紘 × 宮村みやこ × 新藤 景(姉) × 堤 京介
夢を叶えた責任と覚悟し漫画家と学業を両立している紘の夢とは?
空っぽの自由に秘められた記憶がある みやこの夢とは?
気づかない夢を知った想いを理解する紘の幼馴染・景
写真を撮り続けるが納得しない理由を抱える紘の友人・京介

一方的な愛情に挟まれ悩み何を知り理解し決断するのか、辛辣な日常が緩やかに忍び寄る。4人の夢を抱かせた記憶が徐々に解れて行く。

{netabare}千尋のインパクトに負かされヤンデレ表現・行動が心情描写に追いつかず、くり抜いた良い絵を観ただけと寂しい余韻。紘がみやこと景に触れている感情は、真摯な姿に引き込まれヤンデレ演出が活かされず視聴者は知っているが紘は知らないとズレがあったり、エピソードが割愛されているのかわからないが、みやこの独壇場になり他のキャラがスパイスされた印象が半端ない。

千尋エピソードは千尋の記憶に一辺倒な内容で進み蓮治の深みにもなっているが、みやこエピソードとのアンバランスが露呈している。無駄を最小限にしたシナリオが仇になっている。それこそオムニバス形式で描いても良かったのではないかと感じた。好きな設定だが蛇足にもなっていると鬱成分も少なく満たされない。感傷的な作風で楽しめた部分もあったが、収束する2期への期待感と不安にもなった。{/netabare}

色々と書いたが、彼女彼等の”幸せな場所”を見つける姿・シャフト演出を観ても損はないだろう。

投稿 : 2013/06/07
閲覧 : 432
サンキュー:

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