おかき さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
13時間って長いんですね※
恋愛だけじゃなく、夢に対しても描かれています。
勝手なイメージですが、昔の文学っぽい芸術的な作品です。
景の紘に対する本当の兄の様に慕ってることからの恋心とか、
3人の少年と3人の少女の物語の筈だけど、景と京介は割愛します。
紘×みやこ
最初は掴み処の無い明るいキャラクターで、どう動かしていくんだろうって思っていました。
紘の携帯に電話する時の痛々しさと、留守電に録音する度に変貌していく言葉。
ヤンデレを彷彿とさせました。
こういった行動を起こす人は特有の寂しさを抱えてると思います。
実際に家庭内環境が凄惨で、孤独感が酷かった。
一番に想っているから、一番であり続けたいと執拗に追ってしまう。
そして、張り詰めた糸が切れた時には逃げ出してしまう。
その悪循環は、きっと紘がずっとそばにいてあげなきゃダメなのかな。
どこか創作物を匂わせる作りになっているけど、リアリティを感じた部分は高評価です。
それにしても演出が独特でした。
一文字ずつ、一文字ずつ…。ホラーとはまた違った怖さでした。
蓮治×千尋
この2人がアニメ版『ef』においてメインに扱われてる香りがしました。
千尋は過去の事故での左眼の失明と、記憶障害を患った子です。
事故以前の記憶はあるけど、日常では13時間以内の出来事しか覚えられません。
毎日の日記が習慣で、実感の沸かない事があれば、日記を読み返すといった暮らしをしています。
記憶障害って実感沸かないんだけど、アニメを通して一つ分かりました。
本人よりも周りの方が辛いかも知れないということ。
起床後にすぐ読み返さないと、忘れ去られてしまう恐怖があります。
千尋からは忘れた事は忘れた事。
でも、蓮治からすると忘れられない事になります。
二人で共有できる思い出は日記帳の中だけで、それを失うと蓮治君は初対面の人に戻ってしまう。
楽しさを知ってるからこそ寂しさを感じる。切ないです。
劇中に「この世に奇跡なんてない。あるのは偶然と必然」という台詞がありました。
ラストシーンは素直に泣いてください。
いい意味で裏切られました。奇跡を使わないシナリオにも感心しました。
もう少し感傷に浸っていたかったので、すぐに次の場面へと進んだのは残念でした。