2S-305 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
感情移入の敷居が高い「迷演出」
輸入BDにて視聴(アフターストーリー含む。)、原作ゲーム未プレイ。
打ち込んでいたバスケットを父との喧噪で肩を壊したことにより続けることができなくなり、鬱屈とした日々を送る主人公「岡崎朋也」が、本作のメインヒロインである原因不明の病弱体質少女「古河渚」と出会うことから始まる学園ラブストーリー。
メインヒロインに加え藤林杏・椋姉妹、坂上智代、一之瀬ことみ、伊吹風子などのヒロインを交えてストーリーが展開していきます。
きわめて美しい作画なのですが、目が極大なキャラクターデザインにかなりの抵抗を感じ、何度か挫折しましたが何とか見ることができました。
続編の「アフターストーリー」ではかなり印象が変わるのですが、正直「渚」「ことみ」「風子」の「幼児性」を感じる舌足らずなセリフの言い回しを主とした演出は、全くもって感情移入を阻害すること著しく、エピソードを含め典型的な「ゲームキャラそのもの」と感じてしまいました。
「舌足らずトリオ」の渚エピソードでは、メインヒロインの「渚」が演劇部復活を目指し「がんばる」ということになるのですが、全くがんばってるように思えず、すぐにあきらめてしまいます。そもそも「演劇をみたことがない」とのたまわったくだりでは苛立ちがMAXレベル、如何に病弱設定キャラとはいえ他人に手助け・叱咤されなければ何もできないというのは・・・こういうのを「やさしさ」と言うのでしょうか。
結局最後のラストシーンにおいても渚エピソードで琴線に触れることはありませんでした。
「ことみ」「風子」のエピソードにおいても、上記理由による感情移入不全状態では残念ながらあからさまな押しつけがましい「ゲーム内の絵空事」のお涙頂戴以外の何物にも感じとれませんでした。
「古河夫妻」や「春原」のギャグパートで溜飲を下げ、何とか見続けることができたというのが正直なところです。
しかし、「普通にしゃべってるキャラ」である藤林姉妹や智代などはそれなりに感情移入することができ、渚が合唱部にほだされそうになった時の「春原のさけび」や、テニスコートで「朋也」の心情をどうしようもなく悟ってしまい嗚咽する杏・椋のシーンなどは心打つものがありました。
番外編の「智代編」などもかなり良かったと思います。
続編の「アフターストーリー」では「渚」キャラの違和感はかなり払拭されているように感じましたが、少なくとも本作においては魅力あるキャラクターとは思えず、原作からのキャラづくりなのかもしれませんが、本作を敷居の高い作品にしている要因だと思います。
さらに、勿体付けまくりのファンタジー要素が全く意味不明、原作ゲームのルート分岐のための「取って付け」なのではないかと思ってしまいました。
伏線と言えるのかもしれませんが、本作を見て続編を見るのをやめてしまう人もいるのではないでしょうか。
「アフターストーリー」については良作と言えるものがあるだけに、非常に残念でした。