メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
バイクが主体になる作品ではなく風景としてバイクがある少女達の成長物語
■(小品です。機会があればぜひご覧ください。たまゆらなどの空気が大好きな方はいいかも。ほんの1時間です。)
高原に住む高校2年生、汐崎春乃は、毎日、愛車スクーターホンダのジョルノで通学しています。山道の途中で、お茶をいれたり、なんだかほっこりして楽しそう。とっておきの日本の風景がそれに非常にマッチしています。何がはじまるのでしょう。
15分4本。計一時間のオリジナルアニメ。「たまゆら」佐藤順一が監督。この人の醸し出す空気に近いと考えてもよいのかも。
だから、何もはじまりません。ストーリーには、おおきな起伏があるわけではありません。年齢相応のごく当たり前の思いを、淡々と綴っていった作品です。
そして、{netabare}女の子たちだけで、原付でツーリングに出発します。夜のツーリングです。その先に見えてくるのは何でしょう。 {/netabare}地理的な無粋なことをいってもしかたありません。{netabare}山に住む彼女らの先にあったのは、海の匂いでした。たったそれだけのこと。世界がそれで変わるわけでもありません。{/netabare}でも、そこがいい。そういう作品でした。行動半径を広げる単車は、世界観も広げる場合もあると思います。地理的な移動距離ではなく、どれだけ何かを考えるのかですね。
■バイクを乗らない人のために
おそらくバイクを乗らない人にはとてもわかりにくいと思いますので、補足。基本的にバイクは孤独な乗り物です。誰かといっしょに走っていても会話するわけでもありません。目線というより仕草で、意思をともだち同士では伝えるものなんです。
そして、ヘルメット中ではいろんなことを考え続けます。歌だったり、家族のことだったり、ともだちのことだったり、恋人のことだったりです。
照れてしまいますが、都市部の通勤通学は除外して、ツーリングは人生を見つめるたいせつな時間です。これだけは、制作側も描ききれなかった。そこが、大事なの!!
■以下、バイクの話,今度はバイク好きの方のみ
完璧なホンダCBR250R(急に売れ出した。本作とは無関係ですけどね)。原付スクーターも完璧なジョルノ。ホンダ協賛でホンダしか登場しない完全無欠な作画です。ジョルノかわいいんだよねー。こうしてみると、バスケットが似合う。