ツキ さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
新房ならん
ジャンルとしてはファンタジー。もっと言えば日本神話をベースとしたバトルファンタジーに属すると思いますが、とにかくこの神話の説明的な部分がかなり助長に感じました。
オリジナルの設定や世界観を持つ作品では設定を元に連続的なストーリー展開を見せるので世界観の説明などはどうしても必要になってきますが、本作は日本神話を元ネタとして使ってるといったレベルなんであまり長ったらしく設定のお話をされても割と退屈。好きな人にとっては嬉しいつくりかもしれませんが、私はアマテラスがどうのこうのとか聞いても「NARUTOに出てくるやつだ」ぐらいの小学生以下の知識しか持ち合わせていません。ただ、その程度の知識でも鎖々美さんが最高神で邪神(やがみ)三姉妹のポジションが何となくこんな感じ、みたいなあくまでも作品としての要所を押さえておけば全体的に意味不明な世界観を雰囲気として楽しめたのではないかと思います。
だもんで最高に意味不明な第一話で引き込まれた私にとってはその後少しずつ親切に設定説明してくれちゃってる部分には違和感を感じてアンバランスな印象。徐々に全体像を把握させるつくりとして見ても付け焼き刃の神話の知識を与えられても深いところには踏み込めません。神話そのものには多少興味は惹かれましたが。
バトル描写は意外にもビュンビュンガチャガチャ動き回って良い印象を受けたので、もっと作品としての輪郭をぼんやりさせた不思議系な雰囲気を強く保ち「なんかよく分かんないけどバトル描写多いしテンポも良いしおもしれー!」みたいな作品にして欲しかったです。
設定説明的な部分をシャフトお得意の会話劇チックに見せようとして尺を多く取っているようでしたが結局テンポも勢いも殺してマイナスとしか映りませんでした。作品のベクトルを無理矢理シャフト風に染めたがってるって感じでやり口に強引さが目立ちます。なんて言うか、すごくシャフト臭さが目立っちゃいましたね。独特な演出法それ自体は作品と合っていれば好きですが本作とは相性が悪かった気がします。こうなるとよく見かける16:9のアスペクト比まで鬱陶しい。笑
でもまあ悪い部分だけじゃなくキャラはメインどころ全員がかなり作りこまれていて、特にお兄ちゃんなんかは実にシャフト的な良い味出してました。作品の主軸のバトルファンタジーと上手く融合させたキャラクター達はやはり流石です。雰囲気づくりにもかなり貢献していました。
そんな感じで良いところと悪いところがかなりハッキリとした一長一短な作品。流石に1クール意味不明なまま突き通すのは無理があるので全5、6話で勢いで押し切るぐらいの方が良かったかもしれないですね。