Lovin さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:minori
監督:大沼心
シリーズ構成:高山カツヒコ
キャラクタデザイン:杉山延寛
制作:シャフト
話数:1クール全12話
聖地:ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州ハイデルベルク、バイエルン州ローテンブルク
OP:「euphoric field」
by ELISA
ED1:「I’m Here」
by 宮村みやこ(CV:田口宏子)
ED2:「刻む季節」
by 新藤景(CV:岡田純子)
ED3:「空の夢」
by 新藤千尋(CV:やなせなつみ)
ED4:「悠久の翼 07mix」
by 雨宮優子(CV:中島裕美子)
{/netabare}
■感想
原作ゲームは未プレイでレンタルDVDを視聴。エロいことをする話。
ある目的を持って構築された二つの音羽という街を舞台に、オムニバス形式で展開される恋愛物語。コメディ要素は殆どなく、三組の男女の運命が絡み合う少しファンタジックなお話。
エロゲ原作で、それと感じさせるシーンは多いものの、物語の切なさは随一だと思う。エロゲ原作アニメで私の評価が高い作品としては「君が望む永遠」を挙げておくが、それを更にシリアスにしたような雰囲気には、正直なところこの上ない暗さを感じた。だが、この作品は凄く良い。
ラブストーリーとして、中盤にドロドロした展開になるのは仕方ないが、最終的にはハッピーエンドと言える結末になる。そうなってよかったと思えた。ゲーム原作アニメにはよい印象が無かったのに、涙腺の弱くなった私にはちょっとキツかった作品だった。
しかし深くのめり込んで観ていると、時折思い出したかのように、原作はエロゲであることを思い出させるシーンが登場して困惑する。私が一番衝撃を受けたのは、クライマックス直前の千尋だった。それまである意味神聖化していたイメージが崩れ、「やはりあの娘も一人の少女か」「エロゲ原作だもんな」と、無意味な賢者タイムに見舞われた記憶がある。
制作はシャフト、監督は大沼心とされているが、総監督もしくは監修といったポジションとして新房昭之もクレジットされていたと思う。演出もシャフト×新房らしい作品といえば想像し易いと思う。有名なシャフ度も健在ではあるものの、そういった小洒落た演出がこの作品には似合っている。
OPは、話数が進む毎に映像が変化したり、英語だった詩が最終的に日本語になったり、違いを顕著にした比較映像が出回ったりと、本編同様マニアには見逃せない部分もある。また、各話サブタイトルの頭文字を並べると、OP曲のタイトルになったりと、細やかなギミックも鏤められている。
EDは、ヒロイン毎のキャラソン(?)だったり、流れる度に映像に微妙な変化があったり、OPと同じ楽しみ方ができる。歌唱は一寸アレだが、私にとってI’m Hereはかなりのヒットだ。
この作品は女性にもお奨めできる、むしろ女性にこそお奨めしたい作品だと思う。恋愛だけではない様々な悩みにもがく少女達の、綺麗なな部分も穢れた部分も余すことなく描かれたこの作品は、精神的なダメージを与える程の力さえ持った名作だと私は思う。
■概要{netabare}
この作品に蛇足はないし必要ない。
{/netabare}