pastaくんくん さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
意味がよくわからない
【ネタバレ無しの感想】
感想は人それぞれなので,「見るべき」とか「見る必要がない」とかは中々言い難いですが,個人的にはおすすめするようなアニメではありません.
途中で何度諦めかけたかわかりません.
リアルタイムで見ていたら間違いなく,切っていたでしょう.
大まかな話の流れは,
生前の人生に納得の行かない者達が死後の世界で成仏させられないように抗う「死んだ世界戦線」を結成し,日々戦っている.彼らは徐々に死後の世界の真相を知り,生前の後悔に納得をつけていくという話です.
声優は有名声優が多く出演しており,碇シンジ役の緒方恵美が出ていたのが印象的でした.またメインヒロインの二人は,最終話に近づくに連れて可愛さを増していくので,キャラはまあまあという感じだと思います.
{netabare}
【ネタバレありの感想】
世界の設定,ストーリーの整合性,など意味がわからない点が多すぎる.とりあえずわかったことをまとめていきます.
1.生前の人生に納得いってない者達が集まる世界.この世界で青春を取り戻したり,夢を叶えることで成仏する
2.成仏する条件はおおまかに分けて,二つ有ると思っていましたが(素直に学園生活を送るか,夢を叶える),実際それらは「生前の満たされなかった人生をどういう形であれ納得し,この世界で満足できる何かをすること(多くの場合,生前の夢や後悔を果たすこと)」によって成仏するという風にまとめられます.
3.死んだ世界戦線のメンバーは,成仏して何になるかわからない,死後の世界での納得感を受け入れることによって生前の後悔をなかったことにしたくない,神がいてひどい人生を自分に押し付けているなら神に対して反逆したい,というような思いで成仏することを拒みます.そのために,学園生活をまともに送ることを避け,問題児として,通称「天使」と戦います.
4.一方「天使」はそのような問題児の行動を厳しく取り締まる存在.戦線側からは,この世界にプログラムされた風紀委員のようなものとして認識されていて,彼女のいうことを聞くと成仏してしまうから戦うといった思考回路でしたが,実は天使は戦線メンバーと同じく人間で,まともな学園生活を取り返して,ちゃんと成仏してほしいという願いがあったため,問題児である戦線側と衝突し戦っていた.
5.結局,お互いの闘争は認識の齟齬によるもので,別に闘う必要はなかった.
6.いろいろあったが,主人公の説得により,みんな成仏することを選んで大団円,とおもいきや,主人公まさかの残る宣言,告白,天使消滅
という流れで物語が終わりました.
一つ目の不可解な点は,天使の真の意図がわかったからといって,なぜ戦線メンバーが,成仏する選択肢を選ぶのか?
この辺はしょりすぎてよくわかりませんでした.主人公がみんなに自分の人生に意味があったと思ってほしい,いつまでも死後の世界に固執せず,来世を信じてやり直してほしい,と思ってあのような態度になったことはわかるのですが,それを説得して,そんな簡単に意見が変わるでしょうか?そもそもあなた達は,来世どうなるかわからない,不条理な人生を押し付けた神に復讐したい,などの理由で戦っていたのではないでしょうか?だとしたら主人公に熱弁されたからといって,「じゃあ前世の後悔はここで果たして,来世頑張ります!」となるでしょうか?
2つめは,戦線メンバーはメンバー同士でわりと楽しそうな生活を送っていましたよね?もしも,最初に消えたバンドの女の子のように特別な夢があって消えられなかったのだとしたらわかりますが,実りある学園生活を送れなかったからこの世界へきている戦線メンバーは,あのような生活で消えてしまうんじゃないでしょうか?もしも,すべてのメンバーに特別な事情があったとすれば,天使の言うことを聞いて学園生活を真面目に送っても成仏しないはずでは?
3つめはオペレーションの意味.食券を巻き上げるとか,武器庫にいくとか,はっきりいって意味がよくわかりませんし,説明もあまりなかったので,何がしたいかよくわからなかったというのが率直な感想です
4つめは最後のほうの石田彰演じる男が語っていた世界の成り立ちについて.愛がどうのとか,製作者がどうのとかいっていましたが,はっきりいって意味が全くわかりませんでした.私もこの辺りでイライラが半端無かったので,ほとんど流しながらみていて内容を理解できていないというのは有るかもしれませんが,真剣に考えないと理解できないような話を1クールの深夜アニメの一話の中のたった数分で説明してわかるわけがありません.
いろいろ文句を書きましたが,ストーリーの矛盾やキャラの決断に理由付けがなかったことがとくに引っかかっています.
まあアニメなのでその辺は多めに見れべきだと思いますが,物語の根幹をなす部分でいきなり手のひら返したように行動原理を変えると視聴者はついていけません.
しかし,どんなに辛く,意味のないと思える人生であっても,意味はあるし,立ち止まるのはよくないというメッセージが伝えられてると思いますし,ラストの告白ははっきりいって意味不明でしたが,天使がかわいかったのでよしとします.
結論としては,頑張って見るような作品ではなかったし,やはり2010年ははずれの年だなあという印象です.