ラスコーリニコフ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
テンポの悪さが致命的
発想は面白いけど本編に全くリアリティが無いのが残念。
ギャルゲー理論の現実への転用という部分がまるで生かされてない。
作品全体として低年齢向け(話が分かりやすい)に仕上げてるけど、
もっとマニアックにしても良かったと思う。
あとは途中からテンポが異常に遅い(ドラゴンボールやワンピース
的な引き伸ばし、尺稼ぎが多い)のが気になった。
ながら視聴中に話の展開が遅くて嫌になる(早くて困る事は多い)
のは相当だと思うんで、普通に見てる人だとかなりキツいかと。
検索 神のみぞ知るセカイ 売り上げ
○神のみぞ知るセカイ 【全6巻】
巻数 初動 累計 発売日
BD(DVD) BD(DVD)
01巻 2,754(*,607) *,***(*,***) 11.01.26 ※合計 3,361枚
02巻 2,429(*,***) *,***(*,***) 11.02.23
03巻 1,647(*,***) 2,588(*,***) 11.03.11
04巻 2,363(*,385) 2,627(*,***) 11.05.11 ※合計 3,012枚
05巻 2,370(*,***) *,***(*,***) 11.05.25
06巻 2,493(*,***) *,***(*,***) 11.06.22
このサイトの総合得点の順位は64位。63位↑でこの作品より売上
枚数が少ないのは多分伝勇伝くらいなんで、
検索 不遇良作アニメ『伝説の勇者の伝説』
商業的には失敗なのかなと。
検索 アニメ「神のみぞ知るセカイ」が失敗した理由がわからない
主に主人公のキモさと、あとはテンポの悪さが語られてるけど、
58:今風の最前衛萌えアニメだぜいって感じがしない
少年誌的な素朴さが随所に感じられるから
69:狙ってる層がいまいち不明、もしくは間違ってた
他にはこの2つが、いかにもそれっぽい感じ。
・主人公
またオタク主人公かよ、と思って見始めたものの、2話で大きく印象
が変わる。こいつ量産型で視聴者に擦り寄るタイプじゃねー、自らが
輝いて引っ張り込むタイプだ・・、と。
レビュー書くためにもう一度最初の方を流してた時に
{netabare}人間、決戦の場に向かうときにあえて慣れない武器を持っていくだろうか?{/netabare}
この台詞が凄い引っかかって、色々と調べたんだけど、
検索 若木民喜 アンサイクロ
これの経歴と外部リンクの 関係ないページの■←墓場 のサイト。
(※エロゲのレビューサイトなんで、耐性無い人は注意。相当濃い)
純粋なギャルゲはときメモだけ、あとは有名なエロゲ数本程度しか
手を出した事ないから、エロ部分とアニメの比喩以外は何を書いて
るかよく分からないけど、少なくとも原作者は只者じゃない。
キャラっ気強ぇと思ってたけど、原型は間違いなく本人。多少誇張
はあるにしても、、たとえば金髪のツインテールを{netabare}300人は見た{/netabare}とか
いう台詞があったと思うけど、ガチなのかもしれない。
・理論の転用
有名どころで孫子兵法やランチェスターの法則(軍事系)のビジネス、
企業経営への転用、医学や物理学を格闘技へ、心理学を仕事や恋愛
へ、とかアニメだと超駄作のもし○ラとか結構あるけど、
ギャルゲー理論を現実に転用。そういう視点で作品を語ってしまうと
駄作になってしまう(ゲームならではの理屈はほぼ持ちだしていない
&適用の対象がリアリティ0)のだが、
原作者がギャルゲーという武器を選択し、それを信じて漫画を書いた
のかと思うと、非常に重い、魂の篭った作品。正直そんなに面白くは
無かったけど、その事は胸に刻んでおくことにする。
・メインヒロイン
足を引っ張ってばかりで使い物にならない。作中でも触れているが
相当古いタイプ。作品が進むにつれて「こいつホント使えねー」とか
思いつつも、妙な愛着が湧いてくる。
トラブルを持って来て最低限のサポート、あとはカオスな行動を取る
だけ。こういうヒロインを選択する事からも、原作者の主体性、自信
と他人(現実)への不信が感じ取れる訳で、
検索
“こうやればアニメ化は成功する”というチャート表を作ってきていた「神のみぞ知るセカイ」の原作者
結果だけ言えばこのせいでスベったんだろうけど、姿勢、生き様には
魅力がある。名言集からパクって来たけど、
---
現実(リアル)に絶望している。だけど、自分には絶望していない
---
つまりはそういう事なんだろう。
原作者について調べてるうちに作品の背景が見えて来て、ヒロイン
を含めた妙な古さ、昔のアニメにありがちな万人向けの分かりやすい
構造(それがギャルゲーというジャンルとは水と油だったと思うが)、
普通の作品に無い独特の空気、なるほどな~と。
世界に媚び擦り寄ってくる事と、自分の世界を見せようとする事は
大きく違う訳で、この作品は一見前者に見える後者、マーケターじゃ
なくクリエイターの創作物。
売れる要素で勝負ではなく、自分の好みや得意ジャンルから作品を
構築して勝負する人はもっと増えれば良いと思う。今期進撃の巨人
が流行った事で、原作制作両方でチャレンジャーが増えますように。