ninfami さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
『つみき』の特性を巧みに利用し、人生の諸行無常を語る。
12分ほどの短い作品です。多数の賞を受賞している作品で、セリフが一切ないのが特徴。日本版では長沢まさみさんがナレーションを担当していますが、ナレーションが無い方がこの『つみきのいえ』の世界を楽しめるでしょう。
あるおじいさんは、妻に先立たれ、一人でひっそりと暮らしていました。おじいさんが住むその町は、日に日に水位が上がっていく町であり、そのために毎日レンガを積み重ねて、積み重ねて、水没してしまわないようにしなければなりません。そうやってレンガを『つみき』のように積み重ねながら、おじいさんの毎日は過ぎていきます。
ある日、おじいさんはお気に入りのパイプを海底へと落してしまいます。他にいいパイプは無いものかと探しますが、どれも良いのがありません。仕方なくおじいさんは、ダイビングスーツを着てパイプを拾いに行きます。ここからが、この物語の始まりです。
おじいさんが今までずっと積み重ねたレンガの家。彼は少しずつ深くに潜り、昔積み重ねて作ったレンガの部屋を見て自ら人生を振り返ります。
この『つみき』という手法を使って、人生を振り返るというのはもはや芸術です。いくつもの賞を受賞できる理由もわかります。不覚にも、気づいたら泣いていました。
たった12分ほどの作品なので、深くは語りません。その目で見てみてください。