メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「いい意味」でのつかみ所のなさ=浮遊感覚。あまり考えず、ありのままを感じるのもあり。変人美少女のアーキタイプかも。
正直、はまりました。ちりばめられた面白さはなかなかだった気がしますし、印象的でした。
■概要、奇人の奇人っぷりではまった。
内容については、冒頭からわりとぶっぱなしてくれる奇人・変人ヒロイン、涼宮ハルヒのキャラクター設定がほぼ明らかになり(行動原理が読めない人として)、彼女を中心とした人物構成のなかで、キョン君がひとりがたりをしていくってスタイルだったでしょうか。彼女の容姿と言動とのギャップに引き込まれました。うまい設定です。鷲づかみです。
是非云々ではなくて、解答が出てくるわけではないにせよ「わかりにくさを、さもわかりやすくするモノローグ」は演出なのか、原作由来なのかは知りませんが、すぐれたものだったような気がします。それもツボかもしれません。わかりやすくするといっても、言葉のあやであって、謎を呼ぶことにはかわりはありませんね。観る側のミスリードうまく誘っているわけで。
モノローグと併せて、観る側は、かならずしも「涼宮ハルヒ」の行動原理を全理解しようとしなくてもいいわけです。
彼女の傍若無人な言動に、作中人物同様に右往左往(全体的にみれば浮遊感覚を体感)すれば作品世界にすんなり入っていけます。
例をあげればさまざまな真実の暴露(長門など登場人物の出自)に、ありのまま驚愕していればいいのでしょう。私が実際そうでした。だんだん馴化してしてしまいますけど、切り口がうまいです。
繰り返せば、それらがもたらす一種の浮遊感覚みたいなものが、どことなく不思議で、あいまいで、ボーダレスで、はっきりとしないこの作品に存在し、「いい意味」でのつかみ所のなさに埋没できたのではないかな、と感じます。
■理由はわからないけど、はまってしまった
学園舞台ですが(学園あんまり関係ないし)、恋愛?なのかと思えば、それもあんまり関係ないし、すこし不思議なのかと思えば、どこかピントがずれているし、強引だし、子供っぽいかと思えば、そうでもないし……思いかえせば、妙な作品であるものの、十分楽しめる上に、印象深い作品ですね。
■きっかけ おおげさにいうと社会現象として興味を持った。
多くのひとよりかなり遅く、数年前に鑑賞した作品です。あちこちで話題になっていたので、その魅力はどこにあるのだろうか、知りたかったのです。
具体的に興味をもったきっかけは、ギターがすごいよ、とギターのシーンだけを観たという友達のすすめが大きかったかもしれません。だから中身はさほど期待してはいませんでした。重ねていえば、秋葉原での集団パフォーマンスの記事は知っていたのでそれも興味関心を抱いていた理由だと思います。社会現象ですから。私にとって、らきすたと同じスタンスです。
■蛇足
登場キャラの面白さやイベントなどについては記しても、良いレビューが多数あるので私が書いてもしかたなさそうなのでこの位で。なんだかんだいいつつも、とても印象深い作品です。
まだの方は一度観ておくといいかもで、あまり考えずに、ありのままに観るの「も」いいのではないでしょうか。2回は観ないものの、名作シリーズの立ち上がりとなりましたね。