退会済のユーザー さんの感想・評価

5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

「僕」と「比企谷」

残り番外編を残して12話の視聴が終わったので少し思ったことを書きたいと思います。
好き勝手に書きたいと思うので不快に思う方もいるかもしれませんがご容赦下さい


俺は優しい女の子は嫌いだ。

ほんの一言挨拶を交わせば気になるし、
メールが行き交えば心がざわつく。

電話なんかかかってきた日には、
着信履歴を見てつい頬が緩む。

だが知っている、
それが"優しさ"だということを。

俺に優しい人間は他の人にも優しくて、
そのことをつい忘れそうになる。

「真実は残酷だ」というのなら、
きっと"嘘"は優しいのだろう。

だから優しさは嘘だ。

いつだって期待して、いつも勘違いして、
いつからか希望を持つのは止めた。

訓練されたぼっちは二度と同じ手に引っかかったりしない。
百戦錬磨の強者。
負けることに関しては俺が最強。

だからいつまでも、
優しい女の子は嫌いだ。

視聴済みの方はお分かりでしょうが、
５話のラストシーンの主人公のセリフの引用です。


{netabare}
まず卑屈な奴だと言う方は何でしょう、少なくとも他の人と普通の交友関係を保てていた人ではないでしょうか。
僕自身「仲間」だとか「皆」という語があまり好きではありません。

だってそんなのいたことないから、アニメでしか見たこと無いし。
普通であろうと努力して、否定されて、
都合のいいところだけ「皆」の一部に取り入れられ「仲間」であると言葉だけの励ましを受ける。
あなたはこんな僕を卑屈だと笑いますか。
「お前に一体俺の何がわかる」
この一言に尽きます。

個人的に共感をする部分が多く、えらく主観的な感想になってしまいます。
僕自身もある知人に卑屈だと笑われるまで自分が卑屈であるとも思いませんでした。

「お前に一体俺の何がわかる」の様な他人としてどうしようもない、答えようのない
この問いはこの作品全体を通してずっと頭の中に居座り続けました。

僕自身と主人公の比企谷君の一番の違いは「自分の弱さを容認出来る強さ」だと感じます。

他の方はどうかはわかりません。
ですが本当に傷ついた際、僕はそれを自身の弱さとして容認することは出来ません。
強烈な自己嫌悪に陥り、きっと時間と共に忘れた振りをするでしょう。
ですが大抵の場合その傷はふとした瞬間にえぐられます。

「普通はそんなことしないよ」
じゃあ、その普通の奴ならどうすんだよ。
「ぼっちだろ、お前。」
他の奴等が頭悪すぎるんだよ。
「仲間だろ?」
誰だよ、お前。

僕は、こんな具合に自身が一人である原因を不特定多数の他人に丸投げしました。
ですがこの主人公はどうでしょうか。
一人であるということを容認し、許容し、自分が自分であり続けることに疑問を感じていないように見えます。
それの結果は他の人間から見た際にたまたま「卑屈」であったり「最低」であったりとの酷評を受けることになろうと彼は彼であり続ける。

それに対し、雪ノ下はどうでしょう。
成績優秀、容姿端麗、完全無欠の存在である様に見えます。
確かに傍から見ればそうなのでしょう。

だからこそ、非難され、拒絶され、一人になります。
ですが完璧な人間なんていません。彼女も例外ではないのです。
彼女も姉との対比の中に立たされ、どうしようも無い劣等感を感じてきたのでしょう。
それでも折れずに彼女も彼女であり続ける。

二人ともかっこいいです。
僕もなれるもんなら二人の様な人物でありたかった。

ですがもう遅い。
僕はもう「変な奴」というレッテルを張られてしまっている。
この際認めてやりましょう。
俺は変なのだと。
卑屈であることの何がおかしいんだと。
無駄だと分かっていても、この際言ってやりましょう
お前に何が分かると。
「卑屈」とか言われる様な態度を取らなければやっていけなかった今までの人生を肯定します。

もしも、僕がたまたま"こう"であるだけで
別の可能性として"仲間"に囲まれる様な生活をしていたら、
それは確実に今の"僕"ではないでしょう。
"卑屈”であることが僕が僕であることの一つの要因ならば許容しましょう。

こんなことだからやっぱり僕の青春は間違い続けるのでしょうか。
{/netabare}