カリューム さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
現実と折り合いをつけるってのは難しいけど避けられない、みたいな感じの作品
いわゆる中二病をテーマにした青春モノ
原作が発売された当時は中二病という単語が普及していなかったようで、作中では「妄想戦士(ドリームソルジャー)」と呼ばれています
中恋との比較に関してはあとで書くとして、この作品はとても完成度が高いと思います
まぁ若干作画が劇場版にしてはテレビ版レベルかな?という感じもしますが、気になるほどではないと思います
それよりも!
完成度が高いというのは物語の方です
起承転結がはっきりしているし、何を描きたいのかというのがはっきりしている
何が問題で何が答えなのかがしっかり伝わってきたので、見終わったあとの充実感が素晴らしかったです
ネタバレ有り
{netabare}この物語はとても作り方が気持ちいいな、と感じました
・主人公とヒロインの出会い
・妄想戦士とクラスメイトのいざこざ
・主人公の過去の露見とヒロインとの離別
・ヒロインを助ける主人公
起承転結はこんな感じでしょうか?
ついでに印象に残ったセリフ
・「俺が思うのは、現実ってもっと自由でいいだろってことだよ。」
・「なんなんだよ、これ」
・「山本くんは株を大きく下げたよね~」
・「何普通に傷ついてんだよ・・・」
・「そんなに良子のことが嫌いなのかよ」
・「どうしてそうなんだよ!自分を守る努力がなんでできないんだよ!」
・「普通がそんなに嫌か?ただの一般人じゃそんなに不満か?目立ちたいなら人に見られるだけの努力をしろよ!そういうのすっとばしていきなり結果だけ求めんな!俺はそういうの大嫌いだよ!いじめられて当然だよ!どうしてもっと素直に助けたいって思わせてくれないんだよ、お前らは・・・」
・「一郎こそ、この世界が楽しいと本気で思っているの?」
・「狭量だから」「誰が?」「世界が」
・「袋小路なんだ。お前の目指す道」
・「過ちを犯した人間じゃなくて、更生に成功した人間だとは思ってやれねーのかよ!実の親が!」
個人的には「人に見られるだけの努力をしろよ!」ってところにドキッとしました
努力をサボっちゃうんだよね~・・・(^_^;)
よくいじめはいじめる方が100%悪いって考えを聞きますし、俺も大概の場合はいじめる方が悪いんじゃね?と思っている方です
しかし、努力をしない人間は認めてもらえない、というのはすごく良くわかります
他人を認めるのは案外難しいものです
特に自分が理解しづらい場合は
互いに理解する努力をしなければならない
努力を怠った人間は認められない
上手くは言えないけど、人間皆努力しないといけないんだとそう気付かされました
それと俺だけかもしれないけどラストの神殿で「あれ?ファンタジー要素もやっぱり入ってくるのか?」と思いました
プロローグで戦う二人が印象に残っていて、ラストは異世界に飛ぶのかとも思いました
いや~だってあの時点では何とも言えなかったと思いませんか?
一郎がコスプレで出てきてやっと「あ~あれは一郎の黒歴史か」と気付きましたよ
俺がアホなだけかな(^_^;)
「神殿は過剰演出だった」という声を聞きますが、あのプロローグからあのありえない神殿を見せるというのはミスリードとして良かったと思うんですがねぇ~・・・
非現実に憧れる中二心が私の場合ありすぎたのかもしれませんな
{/netabare}